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昔話法廷「三匹のこぶた」開廷

昔話法廷「三匹のこぶた」を見ました。

↓動画が公開されています。


裁判官: それでは、開廷します。

裁判員A: (これからある裁判が始まろうとしている。私たち裁判員は、これから法廷で見たり聞いたりすることを基に、このちょっと不思議な裁判の判決を考えなければならない。
裁かれる被告人は、こぶたのトン三郎。オオカミを殺した罪に問われている。)

裁判官: 検察官、今回の「三匹のこぶた」裁判で、トン三郎はどんな罪を犯したというのか述べてください。

検察官: はい。起訴状を読み上げます。

被告人のトン三郎は、2人の兄がオオカミに食べられそうになったので、次に自分が襲われる前にオオカミを殺そうと決意しました。
7月7日午後3時頃、自らオオカミを自宅におびき寄せたトン三郎は、あらかじめ戸や窓を塞ぎオオカミが煙突から入るようしむけました。
そして、湯を沸かしておいた大鍋の中にオオカミを転落させました。トン三郎はすかさず鍋に蓋をし、重しの石を載せオオカミを死亡させたのであります。
トン三郎が犯した罪は、刑法第199条の殺人罪にあたります。

裁判官: 被告人、今検察官が読み上げた事実に間違いはありませんか?

トン三郎 (被告人): はい、僕はオオカミを殺してしまいました。
でも、おびき寄せてなんかいません。オオカミが突然襲ってきたんです。

裁判官: 弁護人の意見はいかがですか?

弁護人: はい。えー、トン三郎が言った通りです。これは自分の命を守ろうとしてやった行為ですので正当防衛で無罪です。

裁判員A

(今回の裁判のポイントは、トン三郎に正当防衛が認められるかどうか)
突然おそわれ身を守るために殺した→無罪
計画的におびき寄せて殺した→有罪

検察側、証人尋問

裁判員A: (まず検察官は、亡くなったオオカミの母親を証人に呼んだ。)

検察官: あなたは事件の第一発見者ですが、どうしてトン三郎の家へ行ったのですか?

オオカミの母親 (検察側証人): 息子が晩ごはんの時間になっても帰ってこなくて、それでカレンダーを見たら「3時、豚肉パーティー、トン三郎の家」と書いてあったんです。

検察官: それで中へは入れましたか?

オオカミの母親: いいえ、ノックをしても返事がありませんでした。 それに窓には板が打ちつけられていたんです。

検察官: 隙間から何が見えましたか?

オオカミの母親: 大きな鍋の中で、息子がぐったりして・・・。

検察官: 大丈夫ですか?ゆっくりでいいですからね、他に何か見えましたか?

オオカミの母親: 他にはテーブルの上に、「オオカミのただしいころし方」という本がありました。

検察官: 本のタイトルを繰り返します。「オオカミのただしいころし方」ですね?

オオカミの母親: はい。

裁判員A: (トン三郎はその本でオオカミの殺し方を研究していたっていうこと?)

弁護側、反対尋問

裁判官: それでは弁護人、反対尋問をお願いします。

弁護人: はい。あなたがトン三郎の家に行ったのは夕方の6時頃でしたね?

オオカミの母親: はい、そうですけど。

弁護人: えぇー、日が落ちて、薄暗い森の中、家に明かりはついていなかった。 それで、中の様子をちゃんと見れたんでしょうか?

オオカミの母親: えー、はっきり見えましたよ。

弁護人: うーん、そうですか。 裁判員の皆さん、(本を取り出して)これは現場に置いてあった本なのですが、(オオカミの母親に向かって)、すいませんがタイトルを読み上げていただけますか?

オオカミの母親: 「オリガミのたのしいおり方・・・」

裁判員: (見間違えだったってこと?)

あなたが見たのは、「オオカミのただしいころし方」ではなく、この「オリガミのたのしいおり方」だったんじゃないでしょうか?

検察官: 異議あり!答える必要はありません。

オオカミの母親: そんなはずはないわ!確かに見たのよ!

弁護人: ほんとかな? では、次の質問にいきましょう。 息子さんの部屋のカレンダーについて質問しますね。 カレンダーには何と書かれていましたか?

オオカミの母親: 「3時、豚肉パーティー、トン三郎の家」ですが・・・ トン三郎がパーティーをやるって言って息子をおびき出したのよ。

弁護人: なるほど。では仮に、トン三郎が息子さんをパーティーに呼んだのだとしましょう。 そういう時にですね、「豚肉パーティー」という言い方をするでしょうか。

オオカミの母親: えっ?

弁護人: だってそれって、「僕を食べてみんなで盛り上がろう」と言っているのと同じですよね。 つまり、「豚肉パーティー」というのは、息子さんが「トン三郎を食べに行くぞ」という意味だったんじゃないでしょうか。

検察官: 異議あり!憶測です。

弁護人: 以上です。

裁判員A: (うーん、なるほどな・・・、
でも、もしもトン三郎がオオカミを挑発しておびき寄せたとしたら、わざと「豚肉パーティー」って言葉を使うこともあるんじゃないかなー)

弁護側、証人尋問

裁判員A: (弁護人が証人に呼んだのは、トン三郎の兄のトン一郎だ。)

弁護人: あなたは亡くなったオオカミのことを事件の前から知っていましたか?

トン一郎(弁護側証人): はい。オオカミはある日突然襲ってきたんです。
僕が住んでたわらの家を吹き飛ばしました。そして、弟のトン二郎の木の家もあっという間に吹き飛ばしましたんです。 僕らは命からがら、トン三郎の家に逃げ込みました。

弁護人: オオカミはあなたたちを食べに来たんですね?

トン一郎: はい。オオカミはトン三郎の家も襲ってきたんです。 オオカミが入ってきたらおしまいだと、僕らは慌てて戸や窓に板を打ちつけました。

弁護人: でも、オオカミは諦めなかったんですよね?

トン一郎: はい。オオカミは煙突から入ってこようとしたんです! 「食べてやる!」っと叫んでいました。

弁護人: それは怖かったでしょう。で、どうなりました?

トン一郎: はい、すぐにトン二郎と隣の部屋の押入れに逃げ込みました。

弁護人: トン三郎はどうしたんですか?

トン一郎: 逃げ遅れました。腰が抜けて動けなかったようです。

検察側、反対質問

検察官: (石を運んでくる)これはトン三郎がオオカミを鍋に閉じ込めるために、重しに使った漬物石です。 トン一郎さん、ちょっと持ち上げてみてもらえますか?

トン一郎: はぁ。うっ、うっ、うっ、あっ、たっ、とっ、あぁ・・・。(重そうに石を持ち上げる)

検察官: ありがとうございました、さて、トン一郎さん、こんなに重い石を腰を抜かしていたトン三郎が素早く鍋の蓋の上に載せるそんなことが可能だったんでしょうか?

トン一郎: 死ぬところだったんですよ。信じられない力が出たんです!

検察官: そうかな?本当は3人で計画していたんじゃありませんか? あなたとトン二郎さんが、2人で石を持ち上げ、トン三郎が蓋をしたところに素早く載せる そういう作戦だったんじゃありませんか?

弁護人: 異議あり!

検察官: これは殺害の計画性に関わる重要な質問です。

トン一郎: そんなことはしていません!

弁護側、被告人質問

(いよいよ被告人のトン三郎への質問だ。まずは弁護人から。)

弁護人: オオカミが煙突から入ってきて怖かったでしょうね。

トン三郎: 腰が抜けてもう終わりかと思いました。 そしたら、オオカミが足を滑らせて鍋に落っこちてきたんです。

弁護人: それであなたは、慌てて鍋に蓋をしたんですね?

トン三郎: はい。出てきたら食べられてしまう、必死で抑え続けたんです。 しばらくして、恐る恐る蓋を開けたらオオカミが死んでいました。

弁護人: その時、あなたはどんな気持ちでしたか?

トン三郎: 「助かった!」と正直ホッとしました。

弁護人: そうでしたか。以上です。

検察側、反対質問

裁判官: それでは検察官、質問をどうぞ。

検察官: あなたは、板で戸や窓は塞いだのに、煙突だけは塞がなかったんですね? それって、「どうぞここからお入りください」と言わんばかりではありませんか?

そんな、まさか煙突から入ってくるなんて思わないですよ。

しかも、あなたの家の煙突の中は、油がギトギトにこびりついていた。 オオカミを煙突に誘い込みさえすれば、足を滑らせて鍋に落ちる。そういう計画だったんじゃありませんか?

トン三郎: 違います。

弁護人: 異議あり!誘導尋問です。

検察官: 質問を変えましょう。 お願いします。 (鍋が運ばれてくる)これはあなたの家にあった鍋です。 あなたはこれをいつ購入しましたか?

トン三郎: 確か・・・。

検察官: 購入したのは事件の3日前ですね? オオカミの体がスッポリ入るほどの大きな鍋がどうして必要になったんでしょう?

トン三郎: 兄と3人ぐらしになったからですよ。 僕たち豚が大食いなのはみんな知ってるでしょう?

検察官: しかも犯行当時、大量のお湯がグツグツ沸いていた。 食事時でもないのに。

トン三郎: それは、部屋が乾燥しないように、一日中鍋にお湯を沸かしっ放しにしているんですよ。 そこにたまたまオオカミが落ちてきたんですよ。

検察官: うーん、そうかな・・・?以上です。

裁判員: (全てはトン三郎のシナリオどおりだった? うーん、でももしオオカミが煙突から滑り落ちなければ、もしオオカミが蓋を持ち上げて鍋から出てきたら・・・ トン三郎の命はなかったんだよな。)

最終弁論

検察官: 裁判員の皆さん、トン三郎が事件の直前に大鍋を購入していたこと、タイミングよく大量のお湯を沸かしていたのことなどから オオカミをおびき寄せて殺したことは明らかです。 これは計画的犯行ですから、正当防衛は認められません。 トン三郎は有罪です!

弁護人: 裁判員の皆さん、トン三郎の立場になって考えてみて下さい。 身の危険をおかしてまで、恐ろしいオオカミをわざわざおびき寄せるでしょうか? 失敗した時のリスクがあまりにも高すぎます。 突然襲ってきたオオカミから自分の身を守るためには殺すしかなかった。 これは正当防衛ですので、トン三郎は無罪です!

裁判官: これで全ての審理が終わりました。 これから裁判員の皆さんと判決を話し合います。

裁判員A: (トン三郎は、計画的犯行で有罪か。それとも正当防衛で無罪か。どっちなんだろう?)


傍聴した感想

有罪・無罪の判決の結果が出ると思っていましたが、出ませんでしたね。

自分が思うに、藁でもなく、木でもなく、レンガで家を建てることを考えたトン三郎のIQは2人の兄よりも高いです。
おそらく計画的犯行ですね。
金田一少年」や「名探偵コナン」に推理してほしい。

それにしても、藁や木の家を吹き飛ばすオオカミの肺活量はすごい。

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