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昔話法廷「白雪姫」開廷

昔話法廷「白雪姫」を見ました。

↓動画が公開されています。


裁判官: それでは、開廷します。

裁判員A: (これから始まるのはちょっと不思議な裁判。裁かれる被告人は、王妃。白雪姫に毒リンゴを食べさせて殺そうとした罪に問われている。 私たち裁判員が下す判決が被告人のこれからの人生を大きく左右する。責任重大だ!)

裁判官: 検察官、今回の「白雪姫」裁判で、王妃がどんな罪を犯したというのか述べてください。

検察官: はい。起訴状を読み上げます。

「白雪姫の美しさに嫉妬しを募らせた被告人の王妃は白雪姫を殺す事を決意しました。 王妃はリンゴ売りのおばあさんに変装し、森で暮らす白雪姫を訪ねました。 そして白雪姫に毒を塗ったリンゴを食べさせ殺そうとしました。 白雪姫は偶然現場を通りかかった王子に救われたものの、一時意識不明の重体に陥りました。 王妃が犯した罪は、刑法第199条、第203条の殺人未遂罪にあたります」。

裁判官: 被告人、今検察官が読み上げた事実に間違いはありませんか?

王妃 (被告人): まるで違います。私は白雪姫に会いに行ってなんかいません。

裁判官: 弁護人の意見は、いかがですか?

弁護人: 王妃は犯人ではありません。無実です。

裁判員A: (王妃は犯行を全面否定か・・・。もし、王妃が犯人じゃないのに有罪にしてしまったら、無実の人を刑務所に送る事になる。 王妃は本当に白雪姫を殺そうしたんだろうか?)

検察側、証人尋問

裁判員A: (まず検察官は被害者である白雪姫を証人に呼んだ。)

検察官: あなたは森で暮らす前どこで暮らしていましたか?

白雪姫: お城です。王妃と一緒に暮らしていました。 王妃には小さい頃からいつもいじめられていました。 王妃は毎晩、魔法の鏡に、「この世で一番美しいのは誰?」と聞いていました。 鏡が「それは白雪姫です」と答えると、いつも荒れ狂い私を罵りました。 「あなたの美しさが憎い、あなたさえいなければ私が一番なのに!」って・・・。

検察官: そのあとあなたはお城を出ましたね?

白雪姫: 半年前から森の小屋で1人で暮らしています。

検察官: では次に事件当日についてお聞きしますね。 あなたはリンゴ売りのおばあさんが王妃だとは気づかなかったんですか?

白雪姫: 最初は気付きませんでした。 すっかりおばあさんの声でしたから。 それに大きなフードをすっぽりかぶって鼻も魔女のように大きかったんです。

検察官: なるほど・・・。 王妃は変装してあなたを油断させるつもりだったんですね。

白雪姫: はい。おばあさんに「めったに手に入らないおいしいリンゴだ」と言われて思わずドアを開けてしまいました。

検察官: あなたはリンゴがお好きですか?

白雪姫: はい。この世で一番好きなんです。

検察官: それで王妃はリンゴを・・・。 リンゴを食べたらどうなりましたか?

白雪姫: 胸が急に苦しくなって、何だか意識が朦朧(もうろう)としてきました。 もがき苦しむ私を見ておばあさんが高笑いをしたんです。 それがあの恐ろしい王妃の声で。その後、私は気を失いました。 気が付くと王妃の姿はなくて、隣の国の王子がいました。

検察官: 王子が現れなければあなたは死ぬところだったんですね・・・。

白雪姫: はい。今思い出してもぞっとします。

弁護側、反対尋問

裁判官: 弁護人、反対尋問をどうぞ。

弁護人: はい。あなたはおばあさんの高笑いを聞いて、おばあさんが王妃だと気づいたんですね?

白雪姫: はい、そうです。

弁護人: でもその時既に毒が回って意識が朦朧としていたんですよね? そんな状況の中で、まともな判断ができるもんでしょうか?

白雪姫: 王妃の高笑いはい今も悪夢にうなされるほど頭にこびりついているんです!

弁護人: では次にあなたを助けた王子について伺います。 あはなたは事件前から王子の事を知っていましたか?

白雪姫: 王子に会ったのはその時が初めてです。

弁護人: ほう〜「初めて」ですか?

白雪姫: はい。

弁護人: あなは広い森の中で偶然王子に助けられた。 お美しい上に運もお強いんですね。

検察官: 異議あり!美しい事以外に本件には関係ありません!

弁護人: 以上です。

裁判員A: (確かに白雪姫はすごい偶然で王子に命を救われた。でも何で弁護人は王子について聞いたんだろう・・・。)

検察側、証人尋問

裁判員A: (次に検察官が呼んだ証人は、以前お城で働いていた狩人だ。)

検察官: 白雪姫がお城を出た事件の半年前、あなたは王妃に何か命じられましたか?

狩人 (検察側証人): 白雪姫を森へ連れ出して殺せって言われたよ。

検察官: 「白雪姫を殺せ」と! あなたはその命令を実行しましたか?

狩人: 何の罪もねえ白雪姫を殺せっこねえじゃない。 で、森へ逃してやったんだ。

検察官: 王妃には何と伝えたんですか?

狩人: 「白雪姫を殺した」ってうそをついたよ。 白雪姫が生きてるってバレたら王妃に・・・王妃に何をされるか分かったもんじゃねえからな。

検察官: 今回の事件は王妃の仕業だと思いますか?

狩人: いや〜、それはわかんねぇけどさ、王妃は嫉妬と執念の塊みたいな人だって事だけは言える。

裁判員A: (じゃあもし白雪姫が生きていることを王妃が知ったら息の根を止めに行くかも!)

弁護側、反対尋問

弁護人: あなたは王妃が白雪姫を殺すように命じたことを誰かに話ましたか?

狩人: ああ、白雪姫には言ったよ。

弁護人: つまり、白雪姫は王妃が自分の命を奪おうとしている事を知ってしまった・・・。 王妃に特別な感情を抱いても不思議ではありませんね。

裁判員A: (特別な感情・・・?)

弁護人: では、事件の3日前の事についてお伺いします。 あなたは森の中で何か見たそうですね。

狩人: ああ、ああ、ああ! 森で狩りをしてたら、白雪姫を見かけたよ。

弁護人: 白雪姫は何をしていましたか?

狩人: 若い男と切り株に腰掛けておしゃべりしてたよ。

弁護人: ほう〜、その若い男って・・・この人ですか?

狩人: ああ、よーく似てるね。

弁護人: ほう〜、あなたはこの人が白雪姫の命を助けた王子だということを知っていましたか?

狩人: へぇ〜、そうなんだ。

白雪姫: ちょっと!勝手なこと言わないで!

裁判員A: (白雪姫と王子って事件の前から知り合いだったの?じゃあなんで初めて会ったなんて嘘をつく必要があったんだろう。)

弁護側、被告人質問

裁判員A: (いよいよ被告人の王妃への質問だ。まずは弁護人から。)

弁護人: では犯行に使われたリンゴについて伺います。 リンゴにはあなたの指紋が一つもついていませんでした。 ところが、犯行に使われたケープと付け鼻にはあなたの指紋がついていた。 これは一体どういうことでしょう?

王妃: 当然ですよ。私の持ち物なんですから。

弁護人: それであれば、あなたの指紋がついていて当然だ。 でもなぜそんなものをお持ちだったんですか?

王妃: お城で行われる仮装パーティー用に買ったんです。 今年は魔法使いの仮装をする予定でした。

弁護人: ではどうしてあなたの仮装パーティー用の衣装が犯行に使われたのか・・・?

王妃: 誰かがこっそり部屋から持ち出したのよ。

弁護人: 部屋から持ち出す?

王妃: ええ。事件のあった夜、夕食を食べて、お茶を飲んだ途端すっごい眠気が襲ってきたの。 それで朝までぐっすり! 誰かお茶に眠り薬でも入れたんじゃないかしら?

弁護人: 誰かにはめられたんですね? あなたをはめたのは誰か思い当たる人はいませんか?

王妃: さあ誰かしら。お城の者は、みんな私の事を嫌っていますから。 でも白雪姫の事はみんな大好き。 昔からあの子の言う事なら何だって聞くのよね〜。

裁判員A: (えっ?つまり白雪姫がお城の人と手を組んで、王妃を犯人に仕立てあげたってこと?)

(回想シーン)
狩人: 若い男と切り株に腰掛けておしゃべりしてたよ。

裁判員A: (もしかして王子がその仲間?)

検察側、反対質問

検察官: では、事件があった日、あなたが朝までぐっすり眠っていたというアリバイを証明できる人はいますか?

王妃: いいえおりません。

検察官: アリバイはないという事ですか? ところであなたリンゴはお好きですか?

王妃: 好きではありません。

検察官: あれー、おかしいですね。あなたのパソコンの検索履歴を調べたところ、 事件の5日前に「おいしいりんご」と検索した跡があったんですけど、 リンゴがお好きでないのになぜ調べたんですか?

弁護人: 異議あり!本件とは関係ありません!

王妃: 私が食べるためですわ。

検察官: リンゴがお好きでないとおっしゃいましたよね?

王妃: 本当はね、大好きなの。でも白雪姫と同じものが好きだなんて私のプライドが許さない。 だからこっそり取り寄せたの。

白雪姫: そんなの言い逃れよ!そのリンゴを私に食べさせたのよ。

裁判官: 静粛に。

白雪姫: もう〜、認めなさいよ!この、ばばあ!

王妃: あんたが私をはめたくせに!

白雪姫: あんたが私を殺そうとしたんでしょうが!

裁判官: やめなさい!静粛に!

裁判員A: (あら〜、王妃と白雪姫どちらを信用すればいいんだろう?)

最終弁論

検察官: 裁判員の皆さん。王妃の殺意は明白であり、王妃の犯行を裏付ける証拠は十分にそろっています。 更に王妃の犯行当日のアリバイはありません。 白雪姫が王妃をはめたという主張は罪を逃れるためのたわ言にすぎません。 王妃は有罪です!

弁護人: 裁判員の皆さん。犯行に使われたリンゴには王妃の指紋はありません。犯人の高笑いが王妃の声だったと白雪姫は証言しましたが、 意識が遠のく中での記憶をどこまで信じられるでしょうか。 王妃を犯人だとする証拠は不十分です。 王妃は無罪です!

裁判官: これで全ての審理が終わりました。 これから裁判員のみなさんと判決を話し合います。

裁判員A: (王妃は白雪姫を殺そうとしたんだろうか。それとも無罪なんだろうか。どっちなんだろう。)


傍聴した感想

「パソコンの検索履歴」というものが出てきた途端、もうなんでもありなんだなと思いました。 まじめに考えることすらバカバカしくなってきました。 でも、有罪か無罪かと言われると、無罪ではないでしょうか。 王妃の指紋も残ってませんし、証拠が白雪姫の証言だけなので。 犯人は王妃だと、第三者の読者には分かっているのですが・・・。

白雪姫 (ディズニー名作童話館)

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