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(前編)最速自転車プロジェクト ワールドヒューマンパワードスピードチャレンジ 2016 世界大会:超絶 凄(すご)ワザ!【2016/10/29】

毎年秋、アメリカで行われる「ワールドヒューマンパワードスピードチャレンジ」。

世界中から技術者が集まり、人力世界最高速を競う大会。

16年目を迎えるこの大会に、今年(2016年)、日本チームが初めて参戦!

チーム結成は去年の12月、オートバイや自動車開発に携わる一流の技術者たちと、プロのロードレーサーが集まった。

世界大会まで、開発期間はわずか10か月。かかげた目標は140km/h以上の世界新記録。

↓今年3月、去年の大会3位だった強豪オランダと対決。みごと勝利した。

ワールドヒューマンパワードスピードチャレンジ

アメリカ、ネバダ州のバトルマウンテン ルート305。

この大地に伸びる平坦な直線道路が大会のコース。

走行距離は8km。そのほとんどを助走に使い、ラスト200mが計測区間。

この200mの平均速度を競う。

・大会期間は6日間。
・予選(4km)を15チームが参戦し、規定の速度以上で走ったチームだけが本戦(8km)に出場。
・大会終了時、最も速い記録を出したチームが優勝。

新しい車体

日本チームは、1号車から大幅なスピードアップが見込める珠玉の一台を世界大会用に作り上げた。

その名も「スーパーケッタマシン162」。

空気抵抗を減らすため、いかに車体を小さくするか。

ライダーの動きを妨げず限界まで小さくしたカウル。

例えばここ、カウルとライダーのつま先の間はわずか1ミリしかない。

中の自転車もフレームをなくし、カウルと一体化させ、結果、車高は6.6cm下がった。

そして、空気抵抗が大きかった窓をやめ、小型カメラで視界を確保。ほぼつなぎ目のない車体とした。

こうした改良で空気抵抗は3割減少。理論上は世界記録が目指せる車体となった。

しかし、ライダーの小森が言うには、非常に乗りにくくなったという。

ハンドルが切れる角度もたった2.5度ほど。(自転車のハンドルと思えない)

そして、地面のデコボコを吸収する「サスペンション」。

100km/hを超えるスピードで走ると、車体が跳ね、タイヤが空回りすると考えた自転車担当の池上。

サスペンションを付け、空回りを防ぎ、よりスピードを出す。サスペンションは大会16年の歴史で誰も付けたことがない。

大会1日目、予選通過

大会1日目、午前7時半。

予選の通過ラインは、72.42km/h以上。

日本チームは安定した走りで、記録は88.25km/h。無事予選通過!

予選を終えた時点で、日本チームは15チーム中、7位。

車体の異常

予選終了後、車体について、ライダーの小森から自転車担当の池上に相談があった。

・カンカンカンという異音がする。
・サスペンションに違和感がある、いらないかもしれない。

異音の原因
ホイールカバーとタイヤのおもりがぶつかっていたため。 カバーを軽量化で薄くしたため、内側に変形したことが原因。しかし作り直すことはできない。 そこで使ったのが「」。カバーに貼ることで、たわまなくなるという。

サスペンションの違和感
振動を吸収するサスペンションがあることでペダルを踏み込んだ力が地面へ直接伝わっていないと感じた小森。
予選で路面が予想以上になめらかなことを確認。池上はサスペンションを外すことを決意した。

大会1日目、本戦開始

大会1日目、午後6時から本戦開始。

8kmの本戦が始まった。本戦を走れるのは通常1日1回。

しかし、そこには日本チームの姿はなかった。

この時、まだ車体と格闘していた。

サスペンションを外したことによって取り替えた金具に違いがあった。このわずかな違いに気づくまでに大幅な時間がかかった。

大会2日目

この日は、大会史上まれにみる大雨に見舞われ、レースは中止。

大会3日目

この日の夕方に走るチームと、翌朝に走るチームを選ぶことになった。

初日に本戦を逃した日本。予選の記録しかない日本はこの時点で、13位にまで順位を下げてしまっていた。

そのため、この日の夕方に走れるのは上位12チームまで。

13位の日本は、翌日4日目の朝に走ることになった。

6日間の大会で、その半分の3日間走れない日本チームだった。

それとは裏腹に、この日、世界記録保持者のカナダは、142.04km/hと世界記録を更新していた。

大会4日目

記録が出ないまま、大会4日目。

スタートしてすぐに転倒してしまう日本チーム。すぐに立て直すもまた転倒。

そして、4度目の挑戦!スタートがうまくいったかに見えた直後、転倒して道路から滑り落ちてしまった。

スタートを4回失敗したので、失格となってしまった。

転倒の原因はサスペンションを外したことにあった。

予選の時と乗り心地が全く変わってしまっていた。

大会用の車体はスピード最優先、スタート時のバランスは重視されていない。

スタートは難しく、ライダーが車体に慣れることで、どうにかしのいでいる。

サスペンションを外してから走る機会がなかったことがくやまれる。

しかし、30分後日本チームに朗報がくる。

この日、走行にキャンセルがあり、もう一度挑戦できることになった。

車体を直す時間はない。4回転倒したことで、感覚はだいぶ掴んだというライダーの小森。

そして、スタート成功!

初めての8km!最後の計測区間の200mまでどれだけスピードをあげられるか!

中間地点のスピードは、105.2km/h。

日本チームが、4日目にしてついに本戦の8kmを走りきった。

その記録は、118.38km/h

予選の88.25km/hから、一気に速度が上がった!

しかーし!

喜んだのも束の間。

風が強く吹いていたため、記録は非公式となってしまった。

風速1.67m/s以上の場合、公式記録にならない。

日本チーム、大会4日間を終え、未だ公式記録がない。

残り2日。

ライダーの小森が、自転車担当の池上に、「ギアが足りない。安全パイでやってたらいつまでたっても記録が伸びないです」と伝えた。

後編へ続く!