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実はリスク分散!托卵はダーウィンの進化論に矛盾するのか?:サイエンスZERO【2016/12/25】

「托卵」は、ダーウィンの進化論に矛盾しているのではないか、という話がありました。

托卵

托卵とは?
カッコウやホトトギスなどの鳥が、オオヨシキリなどの巣に卵を産み育てさせること。

↓こちらの鳥が「カッコウ」です。

そのカッコウが自分の卵を育てさせるのが、↓このオオヨシキリという鳥です。

オオヨシキリが巣を離れた瞬間、カッコウが卵を産みつけます。

しかもこの時、オオヨシキリの卵を一個捨てて、数を合わせるという用心深さです。

巣に戻ったオオヨシキリがどうするかというと、気付かずに温めてしまいます。

やがて孵化します。真ん中にいる黒いヒナが「カッコウの雛」です。このヒナが驚くべき行動をとります。

カッコウのヒナがオオヨシキリのヒナを巣から落としてしまうんです。

オオヨシキリの親が運んでくるエサを1羽だけで独占しようというのです。

戻ってきたオオヨシキリの親、エサを求めるヒナを見ると、本能的にエサを与えてしまいます。

やがて、カッコウはオオヨシキリの親よりずっと大きく成長しますが、

それでも、せっせとエサを運んでしまうオオヨシキリ。

自分とは似ても似つかぬ我が子の姿なのですが、気付かないまま育ててしまう。

自然界には不思議な行動があるものです。

ダーウィンの進化論に矛盾する?

・カッコウが自分の子どもを育てたら成功率100%かもしれないのに失敗することがあることをやっている。
・オオヨシキリの立場からいうと、托卵なんてことをされてしまうと自分の子は全部死んでしまうわけだから、自分たちの繁殖には害になっているだけ。

でも、進化の結果、なぜ托卵は残っているのか?

一般の人にアンケートと取ると、矛盾するという人としないという人の割合は半々くらいだった。

生存競争の強さ、つまり効率の良さの方向に進化が進むというダーウィンの考え方からすると、托卵はどうも変だと思う人が半分くらいいるということですね。 でも、托卵に関わっているそれぞれの鳥の行動を細かく見ていくと、個々の局面ではちゃんとダーウィンの言った通りのことが起こっている。

例えば、

カッコウの托卵が成功して、それが何年か続くと、

オオヨシキリの方がカッコウの卵を見分けて捨てるようになる。「卵を見分ける進化

そうすると、カッコウはもっとオオヨシキリの卵に似た卵を産むカッコウだけが生き残れるようになる。「似た卵を産む進化

このような、進化の競争が起こる。

どちらも、自分たちの子どもを残す確率を高くするような進化、ダーウィンの言うように効率を高める進化を行っている。

しかし、こういう進化が両側で起こっているので、托卵する側、托卵される側で、カッコウは騙す、オオヨシキリはそれを見破るという進化の競争が起こります。

このことを進化生物学の世界では、「進化の軍拡競争」といいます。

結果どうなったのか?というと、見破る率が5割、托卵されてだまされる率が5割くらいで、どちらもなくならないという状態が安定な状態になるよという研究結果がある。

細かい部分で見ると、ダーウィンの進化論にしたがった進化が起こっているのに、相手をこてんぱんにしてしまわずに、5分5分な形で落ち着いてしまう。

カッコウがいるのに、オオヨシキリが絶滅しない「共存」という状態が起きる。

しかし、生存率50%なのに、なぜ托卵をするのでしょうか?

托卵はリスク分散

例えば、自分の巣を含めて「4つの巣」があるとします。

自分の巣 他の巣1 他の巣2 他の巣3
自分の卵 自分の卵 自分の卵 自分の卵

このうち、「自分の巣」「他の巣1」「他の巣2」 の3つの巣で托卵した卵が、なんらかの理由でダメになって(嵐がきて落ちたりする など)、「他の巣3」の一つだけ助かったとする。

こうなると、もし、自分の巣に卵を4つとも産んで育てていたら、嵐がきて巣が落ちたら全滅です。

しかし、分散させておくと誰かの巣では生き残るかもしれない。

これは「リスク管理」リスク分散とされています。

それでも、ダーウィンの進化論からすると、非効率だと考えられています。

ダーウィンの進化論を超える「永続性の原理」?!

ここからは「こういう原理を研究中です」という話。

38億年間一度も滅びなかった生き物だけが、今この世の中にいる。滅びなかった種だけが生き残っているという重要な原理のことを「永続性(仮称)」とする。

この永続性にしたがって生き物が進化しているということを証明するような理論をつくりたい。

永続性の方が上にある概念で、永続性の原理を満たす範囲ではダーウィンの進化論が通用する。

ダーウィンの進化論からみて効率が悪くても、そっちの方が優先される。一見無駄だけど長続きするような性質の方が残っていく。

「ダーウィンの進化論」の場合、「適応度」つまり、生涯の間に自分の遺伝子がどれだけ残ったかというのを指標に使う。

それに対して、「永続性」は群衆が永続するなんらかの指標を見つけて、それを数式で表そうとしている。

競争面で一番強い遺伝子だけが一人勝ちして、地球を独占したりしていない。

生き物は地球上にたくさんの種類が存在していて、一見無駄にも思える多様性があることが、実際には長期的な安定性や永続性というものにつながっているんじゃないかと考えられている。