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世界が注目のベストセラー「サピエンス全史」幸福を探すヒントとは?:クローズアップ現代【2017/01/04】

イスラエルの歴史学者「ユヴァル・ノア・ハラリ」氏が書いた「サピエンス全史」。

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

この本の特徴は、人類250万年の歴史を全く新しい切り口で解釈している点です。

7万年前に起きた「認知革命」、1万2000年前の「農業革命」など、人が発展を遂げたターニングポイントを4つの時代(認知革命、農業革命、人類の統一、科学革命)に分けているんですが、作者が全ての時代において重要だと考えているのが、私たち人間が「フィクションを信じる力」なんです。

いったい人類発展とどんな関係があるのでしょうか?

認知革命

「会社」って何なんでしょうか?

建物のこと?社長や社員?株式や登記簿?どれも会社の一部ではあるけれど、よく考えると会社って実体があるようでないですよね?

「お金」って何なんでしょうか?

お札は紙だし、コインはただの金属、なぜ価値を持つんでしょうか?

こうした「お金」「会社」「国家」「法律」「正義」「神」などは、全て「フィクション」。

みんながあると信じているから成り立つもの。私たちの社会はフィクションだらけ。

この「フィクションを信じる力」こそが人類が繁栄したカギだといいます。

今から約7万年前、私たちの祖先ホモ・サピエンス。当時、より力の強いネアンデルタール人という種族もいましたが、生き残ったのはホモ・サピエンス。
いったいどうでしてでしょうか?
ネアンデルタール人は、リンゴなど実際に見えるものしか言葉にして周りに伝えられなかったでそうです。 でも、ホモ・サピエンスは「神様」のようなフィクションを「そうぞう」し、全く見知らぬ他人に伝えることができたといいます。 フィクションを「そうぞう」し、みんながそれを信じることで、大きな仲間と協力し、大集団での作業が可能になったのです。

これが人類の最初のターニングポイント「認知革命」。

農業革命

文明の発展が人間を幸せにするとは限らないといいます。

1万2000年前に始まった農業革命。

集団で力を合わせて小麦を栽培することで、食料の安定確保ができ、人口が増加、社会が大きく発展したというのが通説です。

ところが、集団としては発展したけれど、人間一人ひとりは、狩猟採集時代より働く時間が長くなり、不幸になる人が増えた。

しかも、貧富の差まで生まれたというのです。

食料の増加は、よりよい食生活やより長い余暇には結びつかなかった。 平均的な農耕民は、平均的な狩猟採集民よりも苦労して働いたのに、見返りに得られる食べ物は劣っていた。 農業革命は、史上最大の詐欺だったのだ。
 
小麦という植物から見れば、人間を働かせて小麦を増やさせ、生育範囲を世界中に広げた。 つまり農業革命とは、「小麦に人間が家畜化された」とも言えるというのです。

作者「幸せかどうかを考えることは最も大事なことなのです。 歴史を振り返ると、人間は集団の力や権力を手に入れても、それを個人の幸せと結びつけるのは得意ではありません。 現代人は石器時代より何千倍もの力を手に入れていますが、一人ひとりはそれほど幸せには見せません。  
これまでの歴史書の多くは個人の幸せには目を向けず、国家や権力にだけ注目してきました。 幸せを軽んじると『国家や権力の発展は必ずしもみんなの幸せにつながらない』ということを忘れ、拡大や成長ばかりを追い求めることになってしまうのです。」

資本主義経済

産業革命を経て、飛躍的に発展した私達、今世界を動かしている大きな仕組みが「資本主義」です。

でも、ここにもフィクションが。資本主義では経済成長が無限に続き幸せになるという考えをみんなが信じているだけなのだという。

実は今、多くの国で資本主義経済の限界がきているといわれています。

2010年をピークに世界全体の経済成長率は上向かず、停滞し続けているのです。

2014年の経済のパイは、1500年のものよりはるかに大きいが、その分配はあまりに不公平で、アフリカの農民やインドネシアの労働者が1日身を粉にして働いても、手にする食料は500年前の祖先よりも少ない。人類とグローバル経済は発展し続けるだろうが、さらに多くの人々が飢えと貧困に喘ぎながら生きていくことになるかもしれない。

資本主義経済がグローバル化する一方で、格差はますます広がっていく。

作者「資本主義は近代で最もうまくいった考え方で、宗教とさえいえます。 でも、そのために大規模な経済破綻や政治的な問題も起きています。 いま、たった一つの解決策は全く新しいイノベーションを起こすことだと思います。」

新しいフィクションが必要

政治学者 イアン・ブレマー氏のコメント

フィクションは人間を発展させる一方で、その考え方にとらわれてしまう恐れもある。 私たちは「アメリカが世界のリーダー」だというフィクションを長年受け入れてきました。 でも、その賞味期限は過ぎました。フィリピンや中東、ヨーロッパの国々などは、もはやアメリカが世界のリーダーではないと考え始めています。 みんなが信じてきた「フィクション」は変わることもあるし、その考えを共有できないこともあるのです。

科学の進歩で、未来はどう変わる?

未来のテクノロジーの持つ真の可能性は、乗り物や武器だけでなく、感情や欲望も含めて、ホモ・サピエンスそのものを変えることなのだ。
おそらく未来の世界の支配者は、ネアンデルタール人から私たちがかけ離れている以上に、私たちとは違った存在になるだろう。

作者「今後1、2世紀のうちに人類は姿を消すと思います。でもそれは人類が絶滅するということではなく、バイオテクノロジーや人工知能で、人間の体や脳のあり方が変わるだろうということです。」

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