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相続税の節税対策で孫を養子縁組するという話:石田ジャーナル【2017/06/08】

相続税の節税対策で、「養子縁組」をするケースがあるそうです。

その中でも孫を養子縁組するという興味深い話がありました。

相続税の基礎控除額

現在(2017/06/08)の相続税の基礎控除(非課税)額は、一律3000万円 + 法定相続人1人につき600万円です。

例:夫が亡くなった時の妻と子の2人に相続する場合は、3000万円+(600万円✕2人)=4200万円までが基礎控除(非課税枠)となる。

遺産10億円の相続税は?

例:ある男性の遺産10億円を子ども2人に相続する場合、

基礎控除額は、先ほどの通り4200万円。

10億円 ー 4200万円=9億5800万円。

相続税の税率は、10% 〜 55% となっていて、

この相続にかかる相続税は3億9500万円でした。

10億円中、約4億円の相続税を納めて、残りの約6億円を子ども2人で相続するということになります。

(ちなみに、遺産が10億円といっても全部が現金ではない場合もあり、相続して納税するために家を売ったりするケースもあります。)

相続税申告額が急増

2015年から相続税申告額が急増しています。それはなぜでしょうか?

相続税の基礎控除額が2015年から一律5000万円から3000万円に、法定相続人ひとりあたりの控除額が、1000万円が600万円に引き下げられたのが理由です。 この改正によって相続税は事実上増税に。そのため、相続税の節税対策に関心を持つ人が増えてきています。 その選択肢のひとつが「養子縁組」です。

養子縁組で節税?!

養子縁組をすると法定相続人が増え、相続税の基礎控除(非課税枠)が広がる = 節税になる

一般的に行われているのが、「普通養子縁組」。

養子先の親と、法律上の親子関係になるが、実親との親子関係が消滅することはなく、それぞれの親の財産を相続できる。

例えば、先の遺産10億円の話の場合、子ども2人に、養子が1人増えて法定相続人が3人になったとすると、相続税は3億9500万円から3億5000万円になり、4500万円の節税となります。

もちろん相続人が増えれば、ひとりあたりの相続する分の金額は減るので、このバランスが重要となってきます。

孫を養子縁組に!?

↓以下は相続で実際にあった話。

ある男性は、生前長男夫婦と共に自宅を訪れた税理士などから孫を養子にすると、節税効果がある旨の説明を受け、養子縁組の書面に書名をしました。

孫からすると、お父さん(長男)が、お兄さんになるという奇妙な話です。しかし、生みの親ではあるので、将来はこの長男の分の遺産も孫が相続することになります。

ちなみに、相続する子どもがいる場合は、養子縁組でプラスアルファできるのは1人だけと法律で決まっているので、妹さんたち(長女、次女)に子どもがいても、養子縁組で税法上の優遇は受けられないということになります。

相続する金額は、当初の3分の1から、1人当たり4分の1となりますが、実質遺産の半分は長男のところへいくようになるので、この後もめるようになります。

この男性の死後、男性の長女、次女は「男性に養子縁組の意志はなかった」として、養子縁組の無効を求めて提訴しました。

裁判の結果は?

1審(東京家裁)= 養子縁組【あり】

→ 男性本人が養子縁組届けを作成した。

2審(東京高裁)= 養子縁組【なし】

→ 税理士が勧めた節税対策に過ぎず男性は孫との間に真実の親子関係をつくる意思はなかった。

最高裁(2017年1月の判決)= 養子縁組【あり】

→ 節税目的の養子縁組であっても直ちに無効とはならない = 男性の長女らの請求を棄却。

結果、このケースでは、孫を養子縁組するということが認められました。


ちなみに、民法上では何人でも養子にすることはできますが、税法上での優遇には制限があり、実子がいれば養子縁組は1人まで、実子がいなくても2人までということです。

1988年に法律が改正されるまでは、相続税の節税のために何人も養子にしていたケースもあったという話です。