「大掃除」に関する話です。
約1200年前の平安時代に、宮中行事として「すす払い」が行われていた。
これが、大掃除の由来といわれている。
1年の間に積もった「すす」を払い、「歳神様(としがみさま)」をお迎えする神事として行われていた。
ちなみに、「ホウキ」が生まれたのも、この平安時代といわれていて、
室町時代には、「ホウキ売り」という職業があったと記録が残っているほど、一気に広まっていった。
江戸時代には、大掃除を終えた後に「胴上げ」をする風習があった。
江戸時代の暮らしを記した書物によると、
掃除が一通り済むと、主人をはじめ、「一同の胴上げ」があり、そのあと、蕎麦や鯨汁が振る舞われた という記述が残っている。
なぜ、胴上げをするのか、明確には分かっていないが、一説には、大奥から始まり町人にまで広まったといわれている。
実は、「大掃除」はかつて、法律で義務化されていた。
1954年、日本の廃棄物に関する「清掃法」という法律が制定された。
これは、ゴミなどを適切に処理することで、公衆衛生の向上を目的としたもので、その中には、建物の占有者は毎年1回、市町村長の定める計画に従い、大掃除を行わなければならない。
といった内容が記載されている。
時期や回数は、地域によって差がつけられていったが、大掃除に定められた日には、役場の職員が家々を回って点検、
合格した家には、「大掃除施行済之証」を貼って回っていた。
その後、1970年に「清掃法」が全面改正された、いわゆる「廃棄物処理法」が制定されて、年1回の大掃除の法律がなくなった。