遊園地の人気のアトラクションに乗る場合、2時間待ちなどになり、長い行列ができることがあります。
行列は、「機会費用が高い人ほど不利な仕組み」。
これは、いったいどういうことなのか?
機会費用とは?
ある行動をとった時間に、ほかのことをすれば得られたはずの利益、それをコストと捉える。
例えば、普段、時給1000円で働いている人が、あるアトラクション待ちの行列に1時間待つとします。
この時、経済学では、1時間並ぶコストが1000円かかると考えます。このコストが機会費用です。
一方、普段、時給3000円で働いている人の場合の機会費用は3000円となります。
経済学で考えると、機会費用が高い人ほど、行列に並ぶとコストがかかるのです。
時間はあるが、稼ぎのない小さい子供が並びたがる理由には、この機会費用が低いということがあります。
逆に大人で多く稼ぐ人の場合、機会費用が高いので並びたがらない。
最初に言った通り、行列は、「機会費用が高い人ほど不利な仕組み」。
そのため、行列を放置しておくと、機会費用の高い客が離れていく可能性があります。
では、行列にはどのように対処すればいいのでしょうか?
追加料金を払えば、優先的に乗れるチケットを作る
これだと、追加料金を払ってでも早く乗りたい人と、並んで長く待って安い方がいい人で、価格が差別できる。
追加料金を払えば行列をとばせる。
余分にお金を支払えば、待たなくてもタクシーが呼べる「タクシー配車サービス」。
列車の「グリーン車」や「指定席」は、混雑を回避でき確実に席に座ることができます。
また、スカイツリーでは、外国人が行列に並ばなくてもすむチケットが通常の価格よりも1000円高い価格で販売されています。
こうすることで、お金はあっても時間がない外国人観光客にとってうれしいサービスとなります。
こういう風に価格差別をすることで、機会費用が高い人も低い人もどちらも自分に適した価格を払うことで満足度が高くなる。
それから遊園地としても利潤が高くなる。
一見、全員が幸せになれそうに思えますが、電車やタクシーはともかく、
遊園地の場合、子どもたちの視点から見てみると、行列で長い時間待って当たり前、
しかし、そこで、別の手段として「お金で解決する」という方法が入ってきて、「世の中やっぱりお金なのか」となるのも違うのではないか。
なので、「価格を変えずあえて行列を放置する」という方法をとっている遊園地もあるそうです。