友達の友達は、みな友達なのか?という話がありました。
友達を介して手紙は届く?
1967年に、アメリカの社会心理学者のミルグラムという人がある実験を行った。
ネブラスカ州とカンザス州に住む男女300人を無作為に抽出。
彼らに手紙を託し、マサチューセッツ州に住むある人物に「友達だけを介して」手紙を届けるというもの。
この実験では、なんと「平均6人」で手紙が届いた。
友達の友達は、みな友達。
人やモノ同士のつながりを研究の世界では、「ネットワーク」と呼ぶ。
クラブの人間関係で重要な人は?
ザッカリーという人類学者が、アメリカのある大学の空手クラブのメンバーの「人間関係」を調べた。
まず、34人の部員全員に番号をふる。
ひとつひとつの青い丸が「部員」。
ネットワーク研究では、これを「ノード」と呼ぶ。
そして、全員にある共通の質問を投げかけた。
「あなたはこのクラブの誰と友達ですか?」
次に、互いに「友達」と答えた部員同士を「線」でつなぐ。
この線を「リンク」と呼ぶ。
こうして、浮かび上がってきたのが、空手クラブの「ネットワーク」。
特徴としては、「1番」と「34番」に線が集中しているのがわかる。
実は、1番が「空手クラブの部長」。34番が「空手クラブの師範」。
この2人のように、ネットワークのなかで、特に多くのリンクをもつノードのことを「ハブ」という。
会社でも、幹事役やプロジェクトリーダーなどで、重要な役割を果たす。
一方で、問題点もある。
先ほどのネットワークを見てみると、所々、リンクがつながっていない、つまり「友達でない」部員たちがいる。
例えば、「14番」と「20番」は「友達」ではない。しかし、「34番」を介せば「友達の友達」であることがわかる。
このように、「隠れたつながり」を持つ部員同士を見つけ、物理学のアルゴリズムでつないでいくと、以下のようなキレイな図になった。
これを見ると、ハブとなる左側に1番(部長)、右側に34番(師範)の2つのグループに分かれている。
しかし、真ん中に「3番」と「10番」の橋渡しをしている人がいる。
普段は、1番(部長)と34番(師範)のようなハブとなる人が重要な役割を果たすかもしれないが、橋渡しとなる3番と10番が仲違いしてしまったら、空手クラブは崩壊してしまうので、このような人も重要であることもわかる。