ニワトリが朝に鳴くのはなぜ?という話がありました。
これを新村毅 先生(東京農工大学 農学部 准教授)が説明していました。
「コケコッコー」と鳴いているニワトリは、オスだけ。
そして、朝一番に鳴いているニワトリこそ、その群れの中で1番強いボスオス。
他のオスに自分の縄張りを主張しているためだと考えられる。
実は、ニワトリは「一夫多妻制」。
一般的に「1羽のオスに対し、10〜30羽のメス」というハーレムを作り生活をしている。
大昔、ニワトリの祖先は森で暮らしていた。
1番住みよい場所を1番強いオスのグループが占拠。
朝イチで、その強いオスが鳴くのは、「ケンカが強い俺様はココにいるんだぞ!」と他のオスが率いる集団にいち早く知らせることで、ムダな争いを避けてきた。
しかし、現代では、森に分かれていたグループが1つの小屋に集約されている。
縄張りにうるさいニワトリのオス。
小屋に複数のオスがいる状況は、大丈夫なのか?
実は、最初にすごくケンカする。
ニワトリは縦社会なので、新入りのオスなんて来ようものなら、それはそれは激しい戦いが待っている。
そのオスたちの激しい戦い(名古屋コーチンのバトル)の様子がこちら。
ニワトリのオスのケンカは、タイマン(1対1)。
クチバシでトサカをつつき合ったり、羽を広げて足で蹴ったりする。
背を向けて逃げた方が負けとなる。
複数のニワトリを入れると、総当たり戦をして、自分が何番目に強いか分かるまで、ケンカを始める。
一度決まった順位は覆らないのがニワトリの世界。
こうして、群れの中で1番強いと決まったニワトリが、「俺様が1番強いんだぞ!」と他のオスに知らしめるために毎朝鳴く。
こうして、小屋でのムダな争いがなくなると考えられている。
そのため、1位のオスが「コケコッコー」と口火を切ったら、他のオスも次々と鳴いていく。
毎日観察すれば、最初に鳴くのが、決まったニワトリであることがわかる。
上位のニワトリが鳴かなければ、その下のニワトリは鳴かないこともある。
ニワトリは、1日約23.7時間の体内時計を持っていて、天気が悪く暗い朝でも体内時計のおかげで決まった時間に鳴く。