ある日のこと、マンションに住んでいる女性のお宅で、
「願って・・・」「無駄・・・」「辛い・・・」と人のうめき声のような音が聞こえてきた。
毎晩のように聞こえてきて、20分も鳴り止まない。
怖くて、この女性は夜も眠れないという。
女性が住んでいるのは5階で、夜中に誰か騒いでいたら、他の階の人も何か言ってくるはずだとという。
この築年数15年のマンションは、女性の両親が遺してくれたもの。
女性はこのマンションの大家さんで、最上階の5階1フロアに 一人暮らししていた。
女性の家の間取りは、20畳の家の3LDK(リビング・寝室・書斎など)。
うめき声が聞こえ始めたのは、2週間前で、それまでは1度も聞いたことがなかった。
室内を調べたが、とくに不審な所は見つからない。
そして、午前1時、また例のうめき声が聞こえてきた。
このマンションは、1階は喫茶店、2〜4階は住居となっている。
謎のうめき声は、下階の住人にも聞こえているのか?
それぞれ訪ねてみると、2〜4階の住人は聞いていないという。
そして、1階の喫茶店で働いている夫婦の奥さんは、午後10時には閉店して自宅に戻るという。
このうめき声の正体は?
【さぁ、みんなで考えよう!】
実は、1階の喫茶店の旦那さんが、夜中に隠れてカラオケを練習していたのが原因だった。
『♫・・・愛を伝えられたらいいな そう「願って」も「無駄」だから・・・「辛い」けど否めない でも離れ難いのさ・・・』 Official髭男dism - Pretender より。
しかし、2階から4階の人が聞こえてなかったのはなぜか?
実は、1階と5階は同じような間取りで、2階から4階は違う間取りになっていた。
そんな時に、一体何が起こるのか?
それは「固有振動共振」。
同じ大きさの物体の片方に音の振動が加わると、もうひとつの物体も大きく揺れだす現象。
5階宅と1階の喫茶店の大きさ・間取りはほぼ同じ。
しかし、2階〜4階は、部屋の間取りが違っていたため、
カラオケの音は1階から壁を伝わり、2〜4階を通過し5階へ届き、うめき声となって聞こえた。
この他にも、7階のカラオケ店の音が、同じ間取りだった1階2階の住居まで伝わった事案もある。