なぜ大人になると、あっという間に1年が過ぎる?という話がありました。
これについて、時間を心理学や行動科学の観点から研究する、
時間のスペシャリスト、一川誠 先生が説明していました。
大人になればなるほど、1年があっという間に過ぎていくのは、
トキメキをどのくらい感じるかで変わる。
例えば、子どもと大人の食事の様子を比べると、
トキメキと時間の関係が分かる。
まず、子どもの食事は・・・、
「やった!今日のごはんはハンバーグだ!おいしい!」
「でも、ハンバーグってどうやって作るのかな?」
「あ!このニンジン、お星さまの形してる!」
「次は僕の好きなポテトサラダ!」
などと、なるが、
それに対して、大人の食事は・・・、
「今日のごはんは・・・ハンバーグか」
以上。
という風に、
子どもの場合、食事の中にも、「発見」や「疑問」や「驚き」など、
複数のトキメキがあるのに対して、
大人の場合、ただ、食事をする。
つまり、見慣れた料理を食べるという作業をこなすだけになる。
食事に20分かかった時、
子どもの場合は、その間にいろんなことが起こっていたので、
20分より長いだろうなっていう風に感じていると思われる。
それに対して、大人は食事をしただけなので、
20分よりも短かっただろうという風に体験することが多いと思われる。
生活の中に、トキメキの数が多いか少ないかが、時間がゆっくり過ぎるか、早く過ぎるかの違いを生み出している。
子どもは、学校の行事や新しい体験など、1年の中で感じるトキメキが多い。
その1つ1つをしっかり認識するので、過ぎた時間を長く感じる。
一方、大人は毎日同じ作業に慣れてトキメキが少ない。
特に印象に残ることが少ないので、過ぎた時間を短く感じる。
つまり、トキメキやワクワクを忘れて、惰性で生きるようになった大人たちの1年は、
あっという間に過ぎていくことになる。