スプーンの音の話です。
陶器のカップをスプーンで叩くと、「キン」と高い音がする。
次に、スプーンにヒモを付けて、右手と左手の人差し指に、それぞれのヒモの端を巻き付け、指を耳の中に入れる。
アゴの下にスプーンが、ぶら下がった状態で、スプーンをカップにぶつけてみると、
鐘をついたような「ゴーン」という低い音がする。
なぜ、聞こえ方に違いがあるのか?
実は、音の伝わる経路の違いによって引き起こされている。
スプーンがカップにぶつかると、スプーンは振動する。
その振動は空気を伝わり、鼓膜の耳の中の蝸牛(かぎゅう)という器官を通り、音として伝わる。
一方、スプーンは、高い音を出す振動の他に、低い音のもととなる振動もしている。
しかし、その振動は、非常に弱く、スプーンから空気には、ほとんど伝わらない。
そこで、今回行ったように、スプーンと指をヒモで結び、指を耳の中に入れると、
ヒモは、空気より振動を伝えやすいので、高い音の振動も、低い音の振動も、人まで届く。
そして、今度は、皮膚や骨などを経由して、蝸牛へと伝わるが、
実は、この過程で、高い音の振動は弱められてしまう。
そのため、ヒモを使ってスプーンの音を聞くと、
空気を伝わってくる高い音とは全く違う、お寺の鐘のような低い音が聞こえてくる。
