シャベルとスコップの違いってなに?という話がありました。
これについて、真田信治 先生(大阪大学 名誉教授)が説明していました。
こちらが、シャベルとスコップ。
日本産業規格「JIS」では、足をかける所があるのが「ショベル(シャベル)」、ないのが「スコップ」としている。
つまり、足をかけて掘ることを目的としているのがシャベル。
足をかけずにすくうことを目的としたものがスコップとなっている。
柄の探さや先端の形状は関係なく、足をかける所があるかどうかの違い。
ちなみに、こちらの赤い小さい方にはJIS規格がない。
では、いったい何と呼べばいいのか?
広辞苑でシャベルをひいてみると、シャベルの説明にスコップが登場している。
別の辞書でスコップを調べてみると、小型や柄の長い大形と真逆のことが書いてある。
何がなんだかわからず、もう日本は大混乱。
なぜ、こんなに呼び方がバラバラになっているのか。
関東の方に呼び方を聞いてみると、シャベルとスコップ、スコップとシャベル、と呼び方がバラバラ。両方シャベルという人もいた。
関東周辺は、バラバラで大混乱していた。
一方、大阪より西の、西日本では、ほとんどの人が、大きい方をシャベル、小さい方をスコップと呼んでいた。
大阪にある「シャベル・スコップメーカー」の浅香工業株式会社では、掘るものをシャベル、すくうものをスコップと区別していた。
ちなみに、スコップのことを 英語では、scoop (スクープ)といって小型のものをさす。
そういう意味では、西日本は英語に対応しているといえる。
一方、北陸から北海道の方に聞いてみると、
主に雪かきとして使う大きいものをスコップ、雪かきに使わない小さいものをシャベルと呼んでいて、西日本とは完全に逆。
全国的には、こういう結果になった。
西日本では、足をかけて掘ることに使うので、大きいものを「シャベル」と呼ぶ。
北日本では、雪をすくうことに使うため、大きいものを「スコップ」と呼ぶ。
そして、大きいものをシャベルという地域では、小さいものをスコップ。
大きいものをスコップという地域では、小さいものをシャベルと呼ぶようになったと考えられる。
では、関東周辺がバラバラなのはなぜか?
戦後、東北地方から労働者たちが東京へ移動。
もともと関東周辺は、西日本と同じ呼び方だったが、北日本での呼び方が入り込み。大混乱となった。
ちなみに、小さいシャベルは、JIS規格がないため、
シャベル、スコップ、園芸用シャベル、移植ゴテなどと、メーカーや販売店によって名前の付け方が違う。