私有地なのになぜ?!隣人が利用する道の権利の話:ノンストップ!【2017/11/16】

私有地でも場合によっては、他の人に利用させないといけないこともあるようです。


Aさん夫婦は、老後のことを考え、空き家になった実家に移り住みました。

そして、古い実家を建て替えようと夫婦で計画を練っていました。

隣の家に住むBさんは、Aさんの家の玄関横を毎日出入りしており、Aさんは共有の通り道だと思っていました。

そんなある日、その通り道に、Bさんの飼っている犬の糞の後始末がされていなかったので、Aさんは腹を立てていました。

後日、土地の権利書類をよく調べてみると、共有の通り道だと思っていた土地は、Aさんの私有地だということがわかりました。

そして、「家を建て替えると今後共有の道は無くなる」ということをAさんはBさんに伝えました。

すると、

Bさん「それでは、出かけられなくなってしまう」と抗議。

Aさん「表玄関から外に出られるでしょ」と反論。

表玄関からだと、公道まで、Bさんは遠回りになりAさんの私有地を通った方が近道なのです。

Aさん「でも、あそこはうちの土地です」

Bさん「20年以上前から使っている」

お互い言い分を譲らず、調停にまで発展しました。

調停委員「Bさんの通り道を確保しないといけないかもしれません」

Aさん「はぁ!?どういうことですか!?」

ある弁護士によると、

Aさんの親の代の時から、Bさんは通路を自分で整備して我が物顔で通っていたので、
Aさんは問題の土地を共有の通り道だと思い、私有地だと認識していなかった。
法律上は、その状態で20年以上放置していると、Aさん側もそれを受け入れたものということになってしまう。

ということでした。

「20年以上通行していた事実」は、

通行地役権(つうこうちえきけん)といって、他人の土地を通行することを目的とした権利 があるということです。

この権利が認められると、

登記簿に記載
→権利を主張した側が登記簿に記載できる。

土地の価値が下がる
→自分の土地とはいえ、建物を建てたり妨害ができなくなってしまうので、事実上使えなくなり、土地を売るにしてもそういう土地は売れづらいので、価値が下がってしまう。