嫁姑問題、姑との関係を絶つことができる「姻族関係終了届」

旦那さんがなくなった時の嫁姑の関係を解消する方法が、テレビで紹介されていました。

嫁姑の関係は法律上どういう関係なのでしょうか?

親族とは?

親族とは・・・
6親等内の血族・配偶者・3親等内姻族(民法725条)。

・6親等の血族の例:いとこの孫。
・3親等の姻族の例:サザエさんでいうと、マスオさんから見て、カツオの子供。

血族とは・・・
生物学的な血縁者・養子縁組をしている法定血族。

姻族とは・・・
配偶者の血族(姑・義理兄妹姉妹など)

法律上、嫁姑の関係は、「1親等の姻族」となる。

嫁姑の関係を法的に解消できる?

嫁姑問題で、↓こちらような質問があったそうです。

夫を病気で亡くし、姑と二人きりの生活になりました。実は姑とは長年ケンカが絶えず、クッション役になってくれていた夫がなくなった今、うまくやっていく自信がありません。この際、「姑と縁を切りたい」と考えているのですが、そんなことは可能でしょうか?

この答えは「できる」ということです。

配偶者が生きている時であれば、離婚すればいいのですが、亡くなった場合は離婚できません。
その場合は、「姻族関係終了届」を出すことができます。

姻族関係終了届

姻族関係終了届とは・・・
・届けを出せるのは配偶者を亡くした人。
・提出に必要なのは本人確認と、配偶者の死亡証明のみ。(姑など親族の意志は関係ない)
・配偶者の3親等までの姻族関係が終わり、民法上の親族でなくなる。

族関係終了届を提出すれば、旦那さん(配偶者)を亡くした後、嫁姑の姻族関係を解消することができます。

逆に言うと、これを出さなければ、ずっと姻族関係が続きます。

例えば、再婚を考えている人は姻族関係が増える一方なので注意が必要です。

役所にもらいに行くと、役人でもそんな届けがあることを知らない人がいるくらい珍しい届けのようです。

逆に、嫁が嫌だと思っても、姑からこの届けを出すことはできません。

ちなみに、配偶者と死別ではなく、離婚した場合は、この姻族関係は自動的に解消されます。

嫁は姑を扶養する義務があるのか?

民法877条に、
1,直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。
2,家庭裁判所は、特別の事情があるときは、前項に規定する場合のほか、三親等内の親族間においても扶養の義務を負わせることができる。

姑の子供たちが姑の面倒をみないとなった場合などには、嫁に扶養の義務が発生することがある。

例:姑と同居していたり、姑からよく何かをもらっていたりした時など。

姑と孫との血縁関係は継続される

「姻族関係終了届」は、あくまで姻族関係を絶つもので、舅(祖父)・姑(祖母)と子供(孫)の血族関係は変わらず継続されるということです。

感想

配偶者と死別した後に、配偶者の親との関係を解消することってできるんですね、知りませんでした。

嫁と姑の関係が解消できるということはわかりましたが、孫との血族関係は続くということなので、孫からみて祖父母にあたる人の面倒を見る人がいない場合、この孫に相続の権利はありますが、扶養義務も発生しそうですね。