琵琶湖近くの水道水から墨汁臭がする?!原因は植物プランクトン「オシラトリア」

水道水の異臭

滋賀県では、8月末から「水道水が臭い」「墨汁のような臭いがする」などの苦情が900件以上寄せられているそうです。

滋賀県の琵琶湖の東南に位置する、「近江八幡市」「東近江市」、「竜王町」「日野町」の19万人が住むエリアに影響が広がっているといいます。

浄水場で対応するのが難しい?

影響が出ている地域に水を供給しているのが馬淵浄水場。

この浄水場では、7月下旬から土やカビのような臭いを検知するようになり、今月(2016年9月)になって、臭いの原因物質が基準値の約2倍を超えたということです。その後も、ほぼ毎日超えた状態が続いている。

処理された水は、健康への影響はないとのこと。

浄水場担当者のコメント
全く初めての琵琶湖の水質の状況。うちの施設がこういう高濃度の臭いの物質を完全に処理できる設計ではないので、非常に苦慮している。

臭いの元は川の水?

馬淵浄水場が水を取り込んでいるのが、琵琶湖沖。県が調査すると、近くの川で異変が起きていることがわかった。

ここは取水口近くの琵琶湖に注ぐ長命寺川。

上から見ると川の水が濁っていて、緑の帯状のものが漂っています。

すくって見ると、この通り、緑色の繊維状のものが大量に混じっています。

植物プランクトン「オシラトリア」

県が「緑色の繊維状のもの」を分析したところ、大量に発生しているのは微生物だと判明しました。

それは、植物プランクトンの一種「オシラトリア」。

1ccの中に1本入っていても、カビ臭がすると言われている。

カビ臭を出す種類としては、相当、強い種類。

オシラトリアは高い水温が好きで、高水温で25℃以上になると、増えやすい。

栄養分が高い所が好きなので、少し汚れた所が好き。

雨の降水量が少ないと、水質も悪くなってくる。

今年の夏は、少雨で水位が下がり、猛暑で水温上昇したことがオシラトリアが大量繁殖した要因だと見られている。

浄水場では、活性炭を24時間投入し、臭いの除去に取り組んでいるが、完全に取り去ることはできていないという。

さらに、この他にも、琵琶湖の南の方では、「アオコ」も発生しているそうです。