【東京・十条】巨大道路で250軒に立ち退き要求:ビビット【2017/01/11】

東京都が250軒の住民に対し、住宅から立ち退きを要求しているというのです。

巨大道路を作る計画

東京都が北区十条の密集地に巨大道路を作るという。

その道路の幅は最大30メートル

近くを通る環状七号線の道幅は25メートル。この幅よりも広い道路を作るため、道路にかかる住宅は全て立ち退きを要求されているといいます。

70年前の計画

これは70年以上前に決定した計画で、2年前(2015年)に突如再開しました。

なぜ70年前の案が再開したのか?

実は、ここには戦後、交通を円滑にするため、復興道路を作ろうと計画されていました。

延焼遮断帯

しかし、復興道路の計画は、なかなか実行されず70年以上が経過。

そして、東北の震災があった後、

ここを「延焼遮断帯」として防災上どうですかという話があった。

震災の翌年2012年、東京都では、木造住宅密集地に「延焼遮断帯」を2020年までに作ることを目指している。

延焼遮断帯とは?
地震で火災が起きた場合など、大きな火災が想定される時、幅の広い道路を確保することで、延焼を防ぎ避難路を確保するためのもの。

↓十条だけでなく、都内28か所でも計画が建てられています。

実際、先月(2016年12月)起こった、新潟県糸魚川の火災。4万平方メートルの被害がありましたが、そこに延焼遮断帯はありませんでした。

こういった延焼火災を防ぐため、東京都は元々、復興道路として作ろうとしていた道路を延焼遮断帯として作ることに計画を変更、工事を決めたのです。

しかし、住民たちはこれに納得していません。

20メートルの延焼遮断帯を作っても糸魚川の火災を見るように、火は100メートル、200メートル飛ぶんですよ。延焼遮断帯では、風が吹けば火事は止められない。

実際、糸魚川の火災では火元から100メートル先に飛び火、その2か所から次々と延焼しました。

代替地が用意されていない

今回の道路整備で立ち退く場合、ある程度の保証金は出るのですが、住むための代替地は十条に用意されていないといいます。

さらに、商店街のお店にも立ち退き要求がなされていました。

保証金が出ない?

さらに保証金が全額出ない場合もあるという問題。

建物が道路に3分の1とられちゃったら、残った建物の保証はない。

家が区画をまたがった場合、保証金は区画内の土地のみにしか出ないといいます。

付近の住民のコメント

・代替地もないし、どこへ行ったらいいかわからない。
・この場所で50年店をやってきたから立ち退く意志はない。
・年金暮らしで住んでいて、「出てけ」ってどこ出てきゃいいんだよ。
・倉庫がなくなっちゃう、商売にならない。商店街は衰退する。
・この先、何年自分が生きられるか知らないが、余分な事に気を使わないで平和に暮らしたい。
・そんな道路が必要なんですかね?商店街もバラバラになっちゃうし。

東京都の回答

この問題に対しての東京都の回答。

十条で代替地をあっせんしはしているが、十条の土地に空きが少なく、全員の希望をかなえる事は難しい。

道路の重要性

十条のある北区選出の東京都議会議員、音喜多議員は道路の重要性をこう説きます。

計画自体は70年前にできたものですが、定期的に見直しをされている中で必要だという事で残ってきたものです。
大きな道路がある事で消防車や救急車が入る事ができる。こういった道路は非常に重要なものだと思います。