型破りなお経として、あるお寺のテクノ法要が話題になっています。
暗闇に多くの人が集まるお寺、音楽に合わせて住職のお経が響き渡ります。
これは、福井市照恩寺が始めた新たな形の法要、その名も「テクノ法要」。
約540年前から続く浄土真宗のお寺。
照恩寺の17代目住職、朝倉さん。
なぜテクノ法要を始めたのでしょうか?
朝倉さん「若い方のお参りがどうしても少なくなってまして・・・」
お寺の本堂は明治初期に建てられ、修繕は「お布施」でまかなっていました。
しかし、法要や参拝にくる人が減り、お寺の維持が困難な状況になっているといいます。
朝倉さん「私たち坊主の仕事というのは『仏様の宣伝マン』でありますので、その伝えることをたくさんの人に伝えたい」
朝倉さんのお寺の固定概念を壊す挑戦が始まりました。
テクノ法要に使用している楽曲は朝倉さんによる自主制作、自らお経を唱えます。
朝倉さん「今できる技術を使って『お浄土の世界』を光で表現したいなと、プロジェクションマッピング的な試みで、この阿弥陀様をきらびやかな光を放つ存在として・・・。光というのは『阿弥陀様の力』そのものです。自分の心の悩みと一緒にそれを、自分の苦しさを照らしてくれる明かりなんだということをちょっとでも気が付いて、これからの人生に生かしていただければ・・・。」
朝倉さんが20代の時に経験したDJの仕事、その音響や照明の技術がこの法要には活かされているといいます。
朝倉さん「『極楽』に行ったような感じになれる音楽として、テクノというのが一番なじみがあるのかなと。特に若い方を中心になってしまうんですけど」
今までにない新しい法要の形、戸惑いの声もあったといいます。
朝倉さん「特にお年を召された方々の反応はどう返ってくるんだろうかと」
照恩寺門徒のコメント
テクノ法要には賛否の声があるようです。
賛成
・感激して涙が出た(お年寄りの女性)
・将来行くところの姿かと思ったら、阿弥陀さんはこういう「お迎え方」をしてくれるんだなと思って(お年寄りの男性)
・楽しくお参りが出来たのでいいなと思いました(小学生の女子)
反対
・昔のほうが私は好きです(中年女性)
・ある程度年の人にはちょっとキツいのかなって(中年男性)
跡を継ぐ予定の息子のコメント
↓照恩寺を継ぐ予定の朝倉さんの息子さんのコメント
ぼくは、おじいさん(前住職)のほうが(いい)・・・、ちょっと落ち着いてるんで。
門徒責任総代のコメント
いかに人を集めるか、暗中模索だと思います。賛成もいれば反対もある。
他のお寺の住職のコメント
・すごいなと思う
・自分たちも表現方法は別としても、仏教の教えを伝えていく手段を考えてみたい
ネットで話題
このテクノ法要がインターネットで話題になり、お寺を訪れる人も増加しているといいます。
朝倉さん「おじいちゃん、おばあちゃんが、お孫さんに『一緒においでよ』と言ってくれる環境をつくることが出来ているので、お寺のファンを増やすということが、僕の使命というか仕事だと思っています」