冷凍エビフライの衣が全体の50%以下になった理由:林先生が驚く初耳学【2017/02/26】

最近は、技術の進歩により美味しいエビフライが自宅でも手軽に食べられるようになりました。

しかし、過去を振り返ってみると、エビフライの衣の量で、日本中が大論争になったことがあるのです。

当時の新聞を見てみると、「冷凍エビフライころも論争」という文字もありました。

現在、冷凍エビフライの衣の割合は「重量の50%以下」という規定があります。

このルール制定には激動の歴史がありました。

1962年の発売と同時に、人気商品となった冷凍エビフライ。

わずか10年で、生産量が揚げ物の冷凍食品の約40%を占めるまでになりました。

一方で、急増したのが消費者からのクレーム。

客「この冷凍エビフライ、衣が厚すぎる!」

せっかく今夜はごちそうだと用意しても、中から出てきたエビフライのあまりの小ささにがっかりする家庭が続出したのです。

しかし、生産者側にも衣を薄くできない理由がありました。

生産者「衣を薄くすると食べる時にはがれちゃうんです」

当時の技術では、衣の薄い冷凍エビフライを作ることが難しかったのです。

そんな中、登場したのが悪徳業者。規定がないことをいいことに、エビフライを大きく見せようと、衣をどんどん増やしていったのです。

ある調査によると、衣の量が全体の80%を越える着ぶくれエビフライもあったとか?!

しかし、1978年、ついにこの衣論争に終止符が打たれました。

調理冷凍食品のエビフライの衣率を50%以下にするという規格を農林水産省が定めました。

最新の冷凍技術で作られたエビフライでは、衣の量を30%に抑えているものもあるということです。