姫路市わんずまざー保育園の裏契約書:VOICE【2017/03/21】

定員を大幅に超える園児を受け入れていた兵庫県姫路市の認定こども園が遅刻で罰金1万円などとする不当な雇用契約を保育士と交わしていた疑いがあることがわかりました。

姫路市のわんずまざー保育園(認定こども園)では、定員46人を超える22人の園児を市に隠して私的に受け入れていました。

70人近い園児を10人で見ていた保育士たちの職場環境は劣悪でした。

保育士のコメント

わんずまざー保育園の現役保育士の話によると、

・人手が足りないときに子どもがけがをしてしまって、それは自分たちがつくる環境が悪いと強く言われてその時はかなりきつかったです。
・15分前に来てないと遅刻扱いで罰金(1万円)があって、給料から引かれていた職員もいた。
・会議の時に「ごはんは別の部屋で10分か15分で食べて戻ってきてください」と言われた。縮こまってごはんをかきこむことがたくさんあって辛かった。
・国の基準で0歳児なら保育士1人に対して3人とかですが、その人数は満たされてなくて人数オーバー、いつもそういう人数を見ている環境だった。

保育園の職場環境

姫路市は保育園の賃金台帳に、「欠勤控除」とく項目を確認したといいます。保育士の中には給与から4万3000円も引かれていたケースもあったということです。

これに対して保育園側は、有給休暇をこえて休んだ場合の措置だと説明したということですが、控除額が不自然に多いため、市は園側に説明を求めているということです。

また園では、保育士が13人働いていることになっていましたが、そのうち3人に勤務実態はなく、働く側にとって休む間もないことだったといいます。

裏契約書

↓こちらは、遅刻や欠勤をすれば罰金や無給で働くなど、正規の雇用契約とは異なる内容の裏契約書。

無断欠勤(当日休)
休みの場合
無断7日間・当日3日間常勤ボランティアで勤務
*代表に電話での報告の上、非常勤に自ら頼む
遅刻
連絡30分以内の場合無断と同じ
当日ボランティア勤務・30分以上は2日ボランティア勤務
早出の場合は6日間ボランティア。交代のスタッフと2日交代
早退 当日ボランティア勤務・30分以上は2日ボランティア勤務
仕事内容 園児の保育
昇給 年1回0円〜5000円
退職時の申出 年度末、遅くとも3ヵ月前
駐車場 有り(自己負担なし)交通費なし
給料日 翌月5日払い(土・日・祝の場合翌日)
備考 保護者の方を待たせた場合、10日間ボランティアで勤務。お客様宅に謝罪に行く。月休みが7日以内の場合・及び勤務時間が少ない場合 1h776円 *休日出勤1日6250円

保護者のコメント

・話にならない、とにかく転園できるかどうかそれだけわかれば。もうそっち(転園)が優先かな。
・すごく大好きな友達もたくさんできたのに、今回の件で離れ離れになるのがすごくかわいそうだなと。職員の方たちも過酷な労働を強いられていたとしても、私たちは大事な子どもを預けているので、もうちょっと早い段階で対処していただきたかった。先生たちはころころ代わっていました。「今回精神的に・・・」とかっていろいろ書かれてましたけど、あぁ そういうことだったんだなと。