西陣織の弟子募集「半年給料なし」に賛否:モーニングショー【2017/03/22】

西陣織

古都、京都で生まれ約1200年、脈々と受け継がれてきた伝統の絹織物「西陣織」。

あらかじめ染められた縦糸と横糸を高度な技術で織ることにより完成される複雑な模様。

弟子募集

そんな伝統工芸の世界である波紋が広がっています。

それは西陣織職人がツイッターで弟子を募集したこんなコメントでした。

西陣織を習いたい、将来的に仕事をしたい方を募集します。ただし最初の半年は給与的なものも出ませんし、その後の仕事を保証はできません。ただ、この西陣織の職人が減りゆくなか、将来的に技術を覚えておきたい方に無料で教授いたします。詳細はDMで聞いてください。

賛否のコメント

否定的な意見

・いや、普通にブラック企業!
・いくら熱意があっても無理!給料がでない仕事に就く人なんていません。
・普通の会社勤めだったら研修でも仕事なんでお金出ると思うんですけど。

肯定的な意見

・半年もタダで教えてもらえるんだからいいじゃない。
・お金は問題じゃなくて伝統工芸の技術を身につけたい。だってふつう月謝払って習うんだもの。

職人も厳しい状況

敢えて厳しい条件を明記して弟子を募集を呼びかけた西陣織の職人、伝統工芸士の 佐々木英人さん(45)。

最低賃金は一越(ひとこし)20銭(業界ルールの最低賃金)ですが、

一越とは?
横糸が往復して、機械が1回ガシャンとなって一越で20銭。

これを1日3万回打って、日給6000円。

このため、40代 〜 50代 の職人が家族を支えられず転職してしまう人もいる。

佐々木「弟子の間はこちらも給料を払える余裕は全くないと思っているので、雇うことはできないけれども教えたい。」

西陣織の売上はここ30年で約10分の1に減少。職人の工賃も安くなってしまいました。

ピーク時には1万人くらいいた職人も今や800人ほどになって高齢化している。

こうした状況を受けて、佐々木さんは弟子の募集をしました。

佐々木「批判も甘んじて受けて、その状況も変われば僕もうれしいですし、ブラック企業というレッテル貼りも変わるきっかけになればと思っていますので。」

元専業主婦で子どもを育てながら、佐々木さんの元で修行をしている冨山さん。

冨山「3か月は無給でしたね。ブラックってなっちゃうかもしれないんですけど、そこは自分の努力次第でいくらでも伸ばせるところなので自分次第かなと。」

冨山さんは弟子入りして1年、最近ようやく簡単な作業を任せてもらえるようになったといいます。

佐々木「基本的に好きだからやれる仕事でもあるので、少しでも外側の熱意ある『やってみたい』という、そういう人たちを育てたいと思っている」