もし自分が住んでいるマンションの駐車場に別の家が建ってしまったらどうされますか?
東京杉並区にある11階建ての築46年近くになるマンション。
今から約3年前(2014年)、このマンションの駐車場スペースに、ある不動産業者が戸建て住宅6棟を建設しました。
その結果、先に建っていたマンションが違法建築となってしまったのです。
いったいどういうことなんでしょうか?
京王線桜上水駅から徒歩5分という好立地にあるマンション。
1971年の完成で、約150戸。
住民が建物の土地を所有者から借りる形で入居していました。
戸建ての高さはマンションの3階部分くらいまであります。
さらに、かなり距離が近いということもわかります。
3年前、約6000万円からという価格で売り出された戸建て住宅。
現在、人が住んでいる様子は伺えません。
マンション住民側は、戸建て住宅の撤去などを求めて裁判を起こしました。
ここまでに至る経緯は?
4年前、不動産業者A社が、マンションのと駐車場の土地を競売で取得。
その後、東側駐車場部分の所有権を別の不動産業者B社が購入。
B社は6棟の住宅を新築しました。
実はこの住宅が建ったことで大きな問題が発生。
マンションが違法建築となる事態に。
今回問題となっているのは「容積率」です。
容積率とは?
土地に対する建物の延べ床面積の割合。
今回のケースでは、土地から駐車場の面積が減ったため、マンションの容積率が基準を超えてしまい、新しい住宅よりも古くからあるマンションの方が違法建築となるという状態に陥ったのです。
原告住民は、「長年住んでいるので土地の権利を持っている」と主張。これに対して、A社、B社共に「土地の売買に関しては法律上何ら問題ない」と主張。
おととい(2017/04/28)、1つの判決がでました。
東京地裁は、「原告側は駐車場の土地に関し、権利を持っていない」などとして、住宅の撤去を認めませんでした。
しかし、一方で「住民との十分な協議を怠った」として、A社に慰謝料など(33万円)の支払いを命じました。
現在(2017/04/30)でもマンションは違法建築の状態のまま。他の住民約120人も同様の訴えを起こしています。
(自分の所有する土地ではない場合、その土地をどうされても仕方がないという話でした)