四国八十八ヶ所巡りの62番札所が2つになって、困惑している人たちも多いようです。
この問題は7〜8年前の内輪もめまで遡ります。
四国八十八ヶ所霊場会 香園寺の山岡住職によると、
山岡住職「宝寿寺は1時間遅く始まったり、昼中に休憩時間をとられたりして、霊場会の共通した運営上のルール的なものを逸脱して、お参りされる方々に時間的な不便が生じる」
受付時間の違い
宝寿寺を除く87の札所 | 宝寿寺 |
---|---|
午前7時 〜 午後5時 | 午前8時 〜 午後5時 |
(昼休憩なし) | (正午 〜 午後1時 昼休憩) |
88の札所で同じ時間に! | パートの休憩時間が必要! |
年中無休 | 年中無休 |
宝寿寺では、昼休み休憩があり、受付時間が短くなっている。
裁判での争い
2015年3月 霊場会は宝寿寺を提訴。
・ご朱印などの受付時間を守ること
・参拝者への暴言などの巡礼妨害をしないこと
・6年分の未払い会費72万円の支払い
判決は、原告(霊場会)の請求を棄却するというものでした。
宝寿寺は2008年に霊場会を退会しており、会費の支払いや受付時間に従う必要なしという判決でした。
さらに、宝寿寺の暴言や参拝拒否は事実認定されませんでした。
仮設の礼拝所
裁判の判決から1カ月後、霊場会側は、
「宝寿寺本堂の扉は常に閉鎖している。観音様を常に拝めるようにするために、仮設の62番札所を設置した」ということです。
山岡住職「みんなが同じように平等に回れるというのが基本的な考えですから、『霊場会』としてちゃんとした62番札所を設けてもいいのではないかなと」
宝寿寺 渡部住職「現在、霊場会礼拝所には霊場会職員が常駐している、裁判をするほど宝寿寺の納経時間が問題なら、『職員を出張させて助けるから給料はそちら(宝寿寺)持ちで納経所を長く開けて欲しい』といった提案もできたはず」
山岡住職「霊場会の寺院の方も和解というんでしょうか、宝寿寺の方には連絡をしている、ここ1、2年のことはわからないんですけど、和解の案件として上がってきたことはなかったですね」
渡部住職「坊主がお寺を金集めの装置として考えていないことがプレハブ札所で見てとれる、霊場会の坊さんはいずれ懺悔しながら、88か所巡りをすることになるのでしょうか」
山岡住職「お遍路さんに不便がかからないように、ちゃんと仏さまを安置して代拝できるような施設を整ようという形になった」
↓宝寿寺の62番札所
↓霊場会認定の仮設62番札所
お遍路さんたちのコメント
本来の札所である宝寿寺と、霊場会認定の仮設礼拝所。両方参拝すべきかどちらかを参拝すべきか、お遍路さんたちに聞いてみると、
・記念なんで2か所とも回っていきます。
・お寺へお参りするのがメインなので、本当のお寺でご朱印をもらいたい。
・霊場会が定めるほうがいいかなと思って。
・いつか宝寿寺がお遍路の寺に加わって88か所にまとまるといいですね。
本来は寺を回って参拝するのがお遍路。仮設でも巡ったことになるのでしょうか。