なぜ大人料金より子ども料金の方が安いのか?という話:オイコノミア【2017/11/22】

電車にしても映画にしても、大人料金と子ども料金は違います。

入園料
大人 1000円
子ども 500円

これはどうしてでしょうか?

家族連れに対しての思いやりで、子供だけ安くしてあげている、ということではありません。

これは、子どもを安くした方が結果的に利益が高くなるから。

割引価格というのは、サービスする側の利益を大きくするため。

例えば、小さい子供は遊園地に1人では来ません。

子どもを安くすると、家族連れでくることが多いので、その分利益につながります。

家族連れは価格に敏感です。

大人の場合、安くなれば行きますが、行ってくれるのは自分一人だけ。

子ども料金を安くしたときの方が大人のときに比べて、価格が下がった効果が大きく需要に反映される。

そういう場合には安くすれば得になる。

売る側は、子どもには子どもの価格、大人には大人の価格というように、それぞれ利益が最大になる価格を設定してつけている。

これを経済学では、「価格差別」と呼んでいる。

価格差別とは?
買い手ごとに同じ製品やサービスの価格を変えること

電車に乗るにしても、映画を見るにしても、1つの席を使用するのは、大人も子どもも変わりません。

それなのに、大人より子どもの方が安いのは、大人より子どもを安くする方が利用者が増え、売り上げが増えるから。

これが価格を変える理由なのです。

どれくらいどういう人に安い価格を付けたらいいのかというのは、価格弾力性というので決まってくる。

価格弾力性とは?
製品価格の変動によって、需要が変化する度合い。

例えば、チケット価格を下げた時に、チケットを買う人が大きく増えるとします。これを価格弾力性が大きいといいます。
一方、チケット価格を下げても、チケット買う人が少ししか増えないケース。これを価格弾力性が小さいといいます。

子ども料金は大人料金に比べて、価格弾力性が大きいため、安くしているということです。