なんで高齢者のことを「シルバー」というの?:チコちゃんに叱られる!【2018/05/18】

「シルバーデー」「シルバーパス」「シルバー割」「シルバープラン」など、

世の中には、お年寄りのことを示す「シルバー」という言葉があふれています。

なんで高齢者のことを「シルバー」というのでしょうか?

1974年 発行の国語辞典を見てみると、意味は「銀、銀色」とだけ書いてあります。

しかし、1982年 発行の国語辞典を見てみると、「銀」の他に、さらに「定年後【五十五歳以上】の年齢の。高年。老人。」と意味が追加されていました。

この間に何があったのか。

そのルーツは、国鉄(現在のJR)の「シルバーシート」にあるようです。

1973年の敬老の日に登場した優先席の名前で、当時、お年寄りやからだの不自由な方の優先席を「シルバーシート」と呼んでいました。

国鉄はこの当時、低運賃や快適なサービスを提供する私鉄に流れた客を取り戻すべく、新たなサービスを模索していました。

その1つが、今後予想される少子高齢化に向けた高齢者のためのサービス。

しかし、当時、国鉄といえば、赤字財政が問題になっていました。サービスといっても、できることも限られてきます。

そこで、座席の色だけでも変えようとしたところ、偶然、浜松にある工場に、色見本の242番「シルバー」の生地が残っていました。

それは当時、新幹線の座席に使われていた生地でした。このシルバーの生地が偶然残っていました。

こうして、1973年9月15日の敬老の日、シルバーシートが誕生しました。

実はこの時、たまたま残っていたシルバーの生地では、座る部分だけしかまかなえず、背もたれの部分は元の青色のままでした。

その後、シルバーシートのマークと名称は、私鉄やバスにも広まり、いつしかシルバーが高齢者を表す代名詞になっていったのです。