ポストの歴史について、面白い話がありました。
1871年に最初に作られたポストは『書状集箱(しょじょうあつめばこ)』と呼ばれていました。
ちなみに、現在の赤いポストになったのは、1962年からです。
この赤いポストができるまでには、ある失敗がありました。
明治初期、手紙は飛脚が差出人の元に行って直接受け取り、配達をしていました。
当然、飛脚の人件費は莫大になり、手紙の配達料金も超高額に。
それが、近代化を図る日本では大きな問題となっていました。
政府からこの問題の解決を依頼されたのが、当時役人だった前島密(まえじま ひそか)。
前島は、手紙をまとめて集めることができるように、木で作った書状集箱を設置。
飛脚の人件費を減らそうとしました。
しかし、木で作られていたため、雨が降ると水が染み込み、大事な手紙はボロボロになってしまいました。
すぐに前島は、雨でも濡れない鉄製のものに作り変え、それを「郵便箱」と名付けました。
この時、日本で初めて郵便箱が誕生したのです。
ただ、この郵便箱は、誰にも手紙を入れてもらえず、失敗に終わってしまいました。
その理由は、郵便箱が立ち小便箱として勘違いされたからなのです。
そもそも、この時代には、それまで「郵便」という言葉がありませんでした。
なので、「小便箱」と勘違いされてしまったのです。
さらに、同じ時期に公衆便所が普及し始めたことも、勘違いを生んだ一因となりました。