魚の寝台車!「魚活ボックス」の話:VOICE【2019/02/13】

一般的に、生きた魚を運ぶ時は、「活魚車」という水槽を載せたトラックを使います。

しかし、積載量の約8割が海水で、魚は2割ほどしか積めません。

さらに、運搬中の揺れなどのストレスで、その内の1割ほどの魚が死んでしまうこともあり、その分、魚の値段が割高になっていました。

そんな中、日建リース工業が、簡単に魚を生きたまま運べる新しい技術を開発しました。

その名も「魚活ボックス」。

ただの生け簀に見えますが、魚を眠らせて運ぶといいます。いわば「魚の寝台車」。

今までにも、二酸化炭素で魚が眠ることはわかっていましたが、

約20分くらいで死んでしまっていました。

それを適正な二酸化炭素の濃度で魚を寝かせて、さらに酸素を適正な濃度にすることによって、長時間寝かせ続けることを可能にしました。

水槽に入れてから、二酸化炭素の微妙な調整で、10分以内に眠ってしまうといいます。

このマダイも5分で眠ってしまいました。

この状態でトラックなどに積み込み、24時間運搬が可能だといいます。

寝ているマダイを普通の海水に戻すと、約2分で、あっという間に泳ぎ始めました。

魚は寝ていただけなので、ストレスも感じず、死んでしまうなどのロスを大幅に減らせるといいます。

特に、ハモは、人に噛みついたりする魚で、

それがお互いかみあって死んでしまうリスクが非常に高い魚なので、この活魚ボックスが有効です。

今のところ、ハモ、マダイ、ヒラメ、フグなどの21種類の魚で、24時間寝かせたまま運ぶことに成功しているということです。

さらに、小ロット1コンテナでも運べたり、ふん尿による汚れがない、というメリットもあります。