明日から、改元も含む長い10連休の「ゴールデンウィーク」。
ところで、この「ゴールデンウィーク」という言葉は、いつどのようにして生まれたのでしょうか?
昭和26年、当時公開されたある映画が大ヒットしていました。
その映画のタイトルは「自由学校」。
この映画「自由学校」は、「大映」と「松竹」の2社が、同じシナリオで別々に作り、同じ日に公開するという前代未聞の作品でした。
公開日は、昭和26年(1951年)5月5日。
当時は、まとまった休みが取れるお正月やお盆にしか映画ヒットは生まれないというのが映画関係者の常識でした。
そんな中で、映画「自由学校」は、お正月を超える大ヒットを記録。
大映の宣伝部も、この成功を次に活かしたいと考えていました。
映画が公開された5月5日は、当時「飛び石連休」と言われていた休日の1つにすぎませんでした。
しかも、当時の休日は、どこかに出かける日でもなく、
寝て過ごして休んだり、日曜大工、庭いじり、読書、ラジオなどが主流でした。
この時期に映画がヒットしないという常識には、そういう背景があったのです。
そこで、当時の大映宣伝企画部長の松山英夫さんは、宣伝部定例会議で、
連休に新しく名前を付けて意識を変えていくとして、
飛び石週間、黄金週間 → ゴールドウィーク → ゴールデンウィーク と名付けました。
この「ゴールデンウィーク」という名前は、その翌年の昭和27年4月に初めて雑誌に登場。
そのわずか半年後には、今でいうところの新語辞典に掲載されるほど、ものすごい早さで広まっていきました。
さらに、音の響きにもある効果がありました。
「ゴールドウィーク」と「ゴールデンウィーク」の音の違いを見てみると、
「ゴールドウィーク」の場合は、
字面では別れているように見えるが、発声上では繋がっている。
声帯の振動がそのまま繋がっているため、リズミカルな感じがしない。
それに比べて、「ゴールデンウィーク」の場合は、
「ン」で1回切れる。ここで全く波形がなくなる。
そのため、一定のリズム感が生まれる。
これには、楽しいとか、気分が高揚する効果があるようです。