「夜に爪を切ると親の死に目に会えない」という迷信がありますが、これはなぜでしょうか?
昔は「夜に爪を切る」のは、命に関わりかねない危ない事でした。
昔の家は現代のように照明がたくさん無く夜は暗かった。
そのため、夜に爪を切る事は本当に危険でした。
現在よく使われている、てこ型爪切りは、大正時代に海外から入ってきました。
江戸時代では、和はさみが使われていました。
もっと前には、小柄というナイフが使われていたという話もあります。
江戸時代の夜の爪切りを再現して、
ろうそく一本だけを灯した状態で、小柄を使って爪を切ろうとすると、いつケガをしてもおかしくない様子です。
ところで、親と爪はどのように関係しているのでしょうか?
実は、「親の死に目に会えない」というのは、親の死に際に立ち会えないと言う事ではなく、
自分が先に死んでしまうので、親の死を看取る事ができないということなのです。
医療が今ほど発達していなかった時代、ケガをすると感染症にかかり亡くなる可能性があります。
戦後まで猛威を振るった破傷風の場合、致死率はなんと80%以上。
親より先に死んでしまうという表現で、警鐘の意味を込めた迷信だったといいます。