金色の鍋と銀色の鍋の違いは?という話がありました。
実は、どちらも同じアルミニウムで、できています。
色に差があるだけでなく、それぞれの鍋の特徴にも差がありました。
実は、同じアルミニウムで作る場合、銀色の鍋よりも金色の鍋の方が薄く作ることができるのです。
同じメーカーの2種類の鍋のラベルを見てみると、
銀色の鍋の厚さは、1.0mm
金色の鍋の厚さは、0.7mm
となっていました。
金色の鍋の方が、0.3mm薄かったのです。
なぜ、金色の鍋の方が薄く作れるのでしょうか?
こちらが、何もしていないノーマルのアルミの鍋。
アルミの鍋は強度が弱く、このまま使用すると、穴が空いてしまうことがあるので、鍋の表面に保護膜を作ります。
銀色の鍋を作るときは、硫酸に浸けます。
金色の鍋を作るときは、シュウ酸に浸けます。
金色の鍋に使うシュウ酸は、銀色の鍋に使う硫酸よりも、強い保護膜ができる。
その結果、金色の鍋は銀色の鍋よりも、材料であるアルミの板を薄く作ることができる。
そのため、金色の鍋の方が熱が伝わりやすく、早くお湯が沸くのです。
ここで実験。
同じ大きさ・同じ素材の金の鍋と銀の鍋を用意し、同じ量・同じ温度の水を加熱して、同じ火力で、沸騰するまでの時間を計測します。
その結果、100℃に達した時間はそれぞれ、
金の鍋は、8分32秒
銀の鍋は、9分38秒
薄い金色の鍋の方が熱が伝わりやすいということがわかりました。
金色の鍋は早くお湯を湧かすのに向いていますが、
一方、銀色の鍋は、一度温度が上がると冷めにくいという特徴があります。
作る料理によって、使い分けるとよさそうです。