お兄ちゃん お姉ちゃんと呼ぶのに どうして弟ちゃん 妹ちゃんと呼ばないの?:チコちゃんに叱られる!【2019/07/05】

家族の呼ぶとき、おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、お兄ちゃん、お姉ちゃんと呼びますが、

弟ちゃん、妹ちゃんというのは、あまり聞きません。

これはなぜでしょうか?

言語学者の 鈴木孝夫 先生によると、

閉された言語・日本語の世界【増補新版】 (新潮選書)

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  • 作者: 鈴木孝夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/02/24
  • メディア: 単行本

お母さん、お兄ちゃんなど、家族を呼ぶことを「親族呼称」といいます。

日本では普通、目上の家族に対して親族呼称を使う風習がある。

父親が子どもを呼ぶときは「名前」で呼ぶ。

子どもが父親を呼ぶときは「お父さん」と親族呼称を使う。

しかし、なぜ、下の世代の人を名前で呼ぶのに、目上の人には親族呼称を使うのでしょうか?

名前を呼ぶのは失礼にあたる」という考え方があるから。

日本人には、名字と名前があります。

名字はその人の家系を表すもの。

名前はその人個人を表すものです。

古くから日本では、個人を表す名前はとても神聖なものと考えられていました。

名前で呼ぶことは、その人自身を支配するとても無礼なこととされていたのです。

そこで、家族でも目上の人は名前を呼ばずに「親族呼称」を使うようになり、今なお、その風習が残っているのです。

しかし、ここで疑問が・・・、

母親が、下の世代である長男にむかって、「お兄ちゃん」という親族呼称を使うとき。

これはなぜでしょうか?

家庭内に子どもが生まれると、一番下の子を基準にした呼び方に変化するのです。

そのため、お兄ちゃんお姉ちゃんはいることがあっても、弟ちゃん妹ちゃんはいないので、その呼び方はしないのです。

でも、なぜ、一番下の子を基準とするのでしょうか?

それは、家庭内の混乱を避けるためだといいます。

おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、子どもという家族がいた場合、

・お父さんのお母さん(おばあちゃん)

・子どものお母さん

と、お母さんが2人いることになります。

そこで、一番下の子を基準にして、家族の誰もが母親をお母さんと呼び、祖母をおばあちゃんと呼ぶことで、混乱を避けているのです。

ちなみに、祖父母からみて、孫が生まれた後に、子どもが生まれた場合、呼び方は混乱するかもしれません。