緊張の糸が張り詰めた会議中や、静まり返ったエレベーターの中で、
お腹が鳴って恥ずかしい思いをしたことはないでしょうか?
実は、そのお腹の音には「ぐ〜」と「ぎゅるるる」の2種類ありました。
なぜ、違う音の鳴り方をするのでしょうか?
それは、それぞれお腹が鳴る場所が違うから。
「ぐ〜」の音
大きい「ぐ〜」という響く音は、胃が鳴っている。
これは、お腹が空いた時に鳴る。
胃をケチャップの容器で例えるとわかりやすい。
胃の中に食べ物がいっぱいだと、中の物を十二指腸に送る時に音は出ない。
一方、お腹が空いてきて、胃の中に空気の量が多くなった場合、その状態で中の物を出そうとすると音が鳴る。
このように、空気が胃から十二指腸に運ばれる際に、「ぐ〜」と大きな音が鳴る。
食べれば音は鳴らなくなるが、会議中などで無理な場合は、「飴」を舐めるだけで効果がある。
飴を舐めて血糖値が上がると、脳は「まだお腹すいていないな」と、勘違いする。
すると、急いで胃の中を空っぽにする必要はないと、胃の動きが抑えられて音が鳴るのを防ぐことができる。
「ぎゅるるる」の音
小さい「ぎゅるるる」という音は、腸が鳴っている。
これは、お腹が空いている空いていないに関係なく鳴ってしまう。
腸が鳴っていしまう原因は、あるモノをたくさん食べてしまっていること。
ごはんを食べた後と、パンを食べた後で、レントゲンを撮って見比べてみると、
( ← 左:ごはんを食べた後 | 右:パンを食べた後 → )
黄色で囲われた部分にガスが溜まっていることがわかる。
ごはんを食べた時の腸に比べて、パンを食べた時の腸の方が明らかにガスが多く溜まっている。
これが腸が鳴る原因になっている。
口から入った食べ物はほとんど小腸で吸収される。
しかし、パンの原材料の小麦に含まれる「フルクタン」という糖質は、小腸で消化吸収することがほとんどできない。
すると、フルクタンは大腸まで届く。
大腸まで届いたフルクタンは腸内細菌のエサとなってガスが発生する。
そのガスが腸の1か所にたくさん溜まってしまい、一気に移動する時に「ぎゅるるる」と音が鳴ってしまう。
なので、朝食にパンを食べて、昼食にパスタなどを食べたりする人は、日中にとてもお腹が鳴りやすくなってしまう。
では、小麦が入っている物を食べなければ、お腹はないらないのか?
実は、小麦以外にも腸でガスを発生させやすい食べ物はたくさんある。
それがこちら。
これも一部だが、人によっては、これらを食べるのを控えれば、音が鳴らなくなる。
ちなみに、人によりお腹がなりやすい食材は違ってくる。
なので、何を食べた時にお腹がなるのかをチェックし、それを控えるようにするとよい。
それでも食べてしまった場合には、お腹が鳴らないようにする有効な手段がある。
それは「腰をひねる」というもの。
腸が鳴る原因は、発生したガスが1か所に溜まってしまうこと。
そのため、会議やデスクワークで動かない時間が長くなると、ガスが1か所に溜まりお腹が鳴りやすくなる。
なので、20〜30分に1度、腰をひねり、ガスを常に送ってあげることで、音を鳴りにくくすることができる。