歳をとってからの「骨卒中」に注意!という話:おはよう朝日です【2019/11/18】

歳をとってからの骨折には注意!という話です。

骨折・転倒」は、要介護の主な原因の1割以上を占めている。

骨折をきっかけに寝たきりになると、死への道のりがぐっと近づく。

骨折は、脳や心臓の病気に比べると軽視される傾向にあるが、ある程度の年齢になってからの骨折は大問題。

特に、背骨大腿骨の骨折は、健康状態や寿命に大きく影響する。

骨折を防ぐには高齢になってからでは遅く、30代・40代からしっかりと対策をしておく必要がある。

寝たきりになりやすい骨折に、背骨(腰椎など)や大腿骨(股のつけ根)がある。

寝たきりになると(肺が弱って)肺炎になったり、いろんな合併症から命が縮まってしまう。

その恐ろしさを、脳卒中と同じように「骨卒中」という言葉を使って広められている。

若い時は転びそうになると手を前に出すので背骨や大腿骨よりも手首の骨折が多い。

一方、高齢になると手が出ず、いびつな体勢で転んで大腿骨などを折ってしまう。

日本の調査では、大腿骨の骨折後1年間での死亡率は20%、5人にひとりが亡くなっている。

歳をとってからではなく、若いうちから骨を強くしておかないと、骨粗しょう症のリスクが高まる。

骨粗しょう症は、現在日本に約1300万人、10人にひとりの割合で患者がいると推定されている。  

その原因は、食事バランスの偏り(特にカルシウム不足)や若いころからの運動不足。

さらに、女性にはもうひとつ大きな原因がある。それは「閉経」。

人の骨の量は20歳くらいまで多くなりピークをむかえる。

45歳くらいまではそれを維持するが、ここから男女差がついてくる。

女性は閉経後に「エストロゲン」というホルモンが減り急激に骨がもろくなり、骨粗しょう症のリスクが高くなる。

女性の大腿骨近位部骨折全国調査(2016年)のグラフを見てみると、45歳くらいから増え始め、85歳〜89歳がピークになっている。

骨粗しょう症になりやすい人はこちら。

骨折をしないためには、骨を丈夫にする、転倒の対策をする。

骨は衝撃が加わるほど丈夫になる。

例えば、骨に衝撃が加わりやすい体操選手は骨密度が高い強い骨。

骨にほとんど衝撃がない水泳選手は骨密度が低く比較的弱い骨。

ジョギングをする時は、足を高い位置から強く落とすことを意識すると良い。

食事のバランスも大事。

カルシウムの1日必要量は600ミリグラム。

しかし、日本人の摂取量の平均は500ミリグラム台。

さらに推奨量は800ミリグラムとなっているので、もう少しカルシウムを摂る必要がある。

特に、煮干しなど小魚はカルシウムが豊富で吸収もよい(できればそのまま食べる)。

さらに、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも合わせて摂るとよい。

寝たきり老後がイヤなら 毎日とにかく歩きなさい!

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  • 作者: 安保雅博,中山恭秀
  • 出版社/メーカー: すばる舎
  • 発売日: 2018/11/22
  • メディア: 単行本