鏡を見た時に、映った自分の頭の部分とアゴの下の部分にテープを貼ってみる。
すると、鏡に近づいたり、遠ざかったりしてみても、
自分の顔は、どの距離にいてもこのテープに挟まれたまま大きさは変わらない。
このように、自分から見た鏡の中の顔は鏡に対して常に同じ大きさになっている。
これはいったいなぜでしょうか?
鏡で自分の顔を見る時、顔は鏡の向こう側にあるように見える。
しかし、実際には鏡に反射した光を見ている。
ではまず、鏡で自分の顔をひと目で見るためには、どのくらいの大きさの鏡が必要か考えてみる。
顔を動かさずに頭のてっぺんを見るためには、鏡は少なくとも上のテープの位置まで必要。
そして、アゴの下を見るためには、鏡は下のテープの位置まで必要。
つまり、テープとテープに挟まれた幅が、自分の顔をひと目で見るために必要な幅。
実はこの幅は、実際の顔の頭からアゴまでの長さのちょうど半分になる。
これはなぜでしょうか?
上の三角形(ピンク色)と下の三角形(緑色)に注目するとわかる。
入射角と反射角は等しいので、
「=」の印が付いた辺の長さは同じ。
同じように、「○」の印が付いた辺の長さも同じ。
すると、鏡に映る顔の大きさは、常に実際の顔の長さの2分の1になることがわかる。
人が鏡から遠ざかっても、同じ原理が成り立つ。
そのため、自分の顔は常にテープの幅に収まっている。