商業施設の館内アナウンスの謎:ten.【2020/03/05】

関東出身の人が、関西に引っ越してきて、ある違和感を感じたそうです。

それは、商業施設の「館内アナウンス」。

関東にいるときは、「本日はご来店いただき・・・」

しかし、関西の商業施設に入ると、「本日もご来店いただき・・・」

となっていたという。

いつも行っていない初めて来たお店でも、「本日も」となるのことに違和感を感じるという。

実際に、商業施設のアナウンスを聞きに行ってみると、

ミ・ナーラ(奈良市二条大路南)では、

「いらっしゃいませ 本日も ミ・ナーラにご来店いただきまして 誠にありがとうございます。」

と、確かに「本日も」と言っている。

ミ・ナーラの館長に聞くと、この館内アナウンスは、マニュアルで決まっているという。

しかし、中には録音されているものもあり、決まった時間に流れたものを聞くと、

「いらっしゃいませ 本日は ミ・ナーラにご来店いただきまして 誠にありがとうございます。」

と、「今日は」と言っている。

つまり、

録音されたアナウンス「本日は」

生の声でアナウンス「本日も」

と、数年前に落とし物や期間限定の催事など、生の声でアナウンスするときだけ「本日も」に変更したという。

「も」と付けるのは、大阪の商売人のノリで、いつも来ていただいて「毎度おおきに」というところから来ているそうです。

阪急うめだ本店でも、同じように5,6年前までは「本日は」を使っていて、現在の営業中のアナウンスは「本日も」になっていた。

一方、大丸 梅田店のアナウンスでは、

本日のご来店 誠にありがとうございます」

と、「本日の」となっていた。

この店では、大阪駅直結で駅近ということもあり、リピーターも多く、遠方から来る客も多いので、「の」を採用しているという。

(これなら、「は」や「も」のどちらの弱点も克服しているのではないだろうか)

さらに、阪神梅田本店では、

「阪神梅田本店にお越しいただき・・・」

「お客様に申し上げます・・・」

「本日」を付けずにアナウンスしていた。

お店によっても言い方は違うようだ。

関東で、「本日は」としている所が多いのは、

初めてのお客に対して失礼のないようにという視点で無難な感じと考えているのではないか。

関西で、「本日も」としている所が多いのは、

常連さんを主に大事にするイメージ。親しみ感を込めて「本日も」と言った方がお互い良い感じ。

関東・・・「距離感」を大事にしている

関西・・・「親近感」を大事にしている

ということでした。