免疫反応のカン違い!?「交差免疫」の話:サタデーステーション【2020/07/18】

今回の新型コロナで、「交差免疫」が起こった可能性があるそうです。


交差免疫」とは?
過去のウイルス(異物)感染で獲得した免疫反応が他のウイルス(異物)にも作用すること。

ものすごく簡単にいうと、免疫反応の「カン違い」。

例えば、花粉症は免疫の過剰反応によるアレルギーだが、スギ花粉の花粉症の人がトマトを食べてアレルギーが出ることがあるという。

スギ花粉とトマト、見た目は似ても似つかないが、花粉に含まれる分子構造と、トマトの成分の分子構造が非常に似ていて、免疫が勘違いして、トマトでもアレルギーが出ることがあるという。これが交差免疫。

アメリカのラホヤ免疫研究所によると、

新型コロナでも交差免疫が起きている可能性がある。

とのこと。

これをわかりやすく説明。

今回の主役は、免疫の「T細胞」たち。

T細胞

彼らはウイルスとの戦いの切り札で、

実は、抗体は彼らのリーダーが、職人B細胞に命令して作らせている。

抗体作りをB細胞に命令

さらに、彼らはとっても記憶力がいいので、一度戦うと相手の特徴や弱点を覚えている「メモリーT細胞」になることもできる。

メモリーT細胞

一方、コロナウイルスは、一般的な風邪の原因となるものが、元々4種類いる。

コロナ4兄弟と新型

そこへ、今回、新型コロナが現れた。

例えるなら、4兄弟と、その従兄弟がやってきたようなもの。

新型なので、当然、T細胞にとっては初めて出会うウイルスだが、実はT細胞は、ウイルスの内部を分析できる能力も持っている。

共通点を発見

そこで、コロナ4兄弟を担当している「メモリーT細胞」のうちの1人が、新型コロナを分析すると、なんと4兄弟との共通点を発見。

「コイツ知ってるぞ!」と勘違いして、反応することがわかった。

つまり、交差免疫が起きる。

共通点を見つけた4兄弟の担当が、B細胞に抗体作りを命令し、新型コロナウイルスと戦った可能性もあるという。

新型コロナに感染しても、無症状の人たちは、この交差免疫が起きた可能性がある。