深夜の住宅街に停まる白い車。
中から、帽子を被ったマスク姿の男たちが降りてきた。
そして、ある住宅の敷地内に停めてあった黒い車に近づく。
この車が被害に遭った高級車レクサス。
男たちは運転席に近づくと、工具のような物を使い、何か作業を始めた。
そして、約4分後、簡単に車のドアが開いた。
男たちはレクサスに乗り込むと、そのまま発進。
白い車も走り去って行った。
その間、わずか6分の犯行。
今月(2020年8月)11日、犯行が行われたのは、名古屋市内の住宅街。
約900万円相当の高級車レクサスが盗まれた。
現場の駐車場には、車体の破片だけが残されていた。
犯人たちが最初に乗ってきた白い車も、同じ手口で被害を受けた盗難車だったという。
自動車評論家の 国沢光宏さんによると、
この手口は、電気ドリルを使って車を盗む「ドリルアタック」と言われている。電気ドリルでドアに穴を開けて、ドアロックを無効にする方法。直径1ミリとか2ミリとか小さな穴です。
とのこと。
ドリルアタックは、ドアの特定の場所を電動ドリルで壊し、ドアロックシステムを破壊する手口。
その後、特殊な装置を車内のコンピュータに接続、スマートキーを複製してエンジンをかけ、車を盗むという。
ドリルアタックはカギそのものが必要ではないので、どこに止まっている車でも盗難される可能性が出てくる。
2年ほど前から出てきたというこの手口。
なぜ、ドリルでドアを壊しているのに、防犯アラームが鳴らないのか?
専門家によると、
不正にドアロックを解除すると、信号が伝わりアラームが鳴る。しかし、ドリルアタックの場合、ドアロックのシステムを壊すので、ロックが解除されたという信号が伝わらず、アラームも鳴らない。
とのことだった。