「精子提供」の話です。
不妊治療をする夫婦などが第三者から精子の提供を受ける場合、医療機関を通じて受けるのが一般的となっている。
しかし、今、TwitterなどのSNSを通じて、個人間での精子提供が広がっているという。
実際に、SNSで「精子提供」で検索すると、
男性から精子提供を望む女性たちの投稿があったり、
一方、男性からも、精子提供を求める女性に向けて、
高身長、二重など、容姿の特徴や、高学歴をアピールするような投稿もあった。
提供を求める女性には、
「夫が無精子症」「女性同士のカップル」「シングルマザー」など、それぞれの事情があった。
日本産婦人科学会によると、不妊のカップルは10組に1組といわれている。
また、慶應義塾大学病院によると、男性の100人に1人が精液中に、精子が全く見当たらない無精子症だという。
通常、無精子症などで悩む夫婦が第三者から精子の提供を受ける際には、医療機関を介して人工授精を行う。その際、提供者の情報は一切明かされない。費用は、1回10万円程度かかる。
2018年度には、全国3380件の精子提供が行われたが、出産まで至ったのは130人(確率は4%)。
そんな中、こうした医療機関を介さずにSNSなどを通じて個人間で精子提供を受けるケースが広がっている。
こうした行為は、法的には問題ないのか?
ある弁護士によると、今は法規制がない状態なので、問題になることはないという。
しかし、一方でお法律が整備されていないためトラブルが起きるリスクもある。
子どもの権利をしばることはできないので、「子どもの親権」や「扶養義務」などをめぐりトラブルが起きる可能性がある。
個人間で精子提供を受ける際には、
・シリンジ法・・・針のない注射器型のスポイトを使い、精液を腟内に注入。
・タイミング法・・・排卵期に合わせて性行為。
などがあり、
男性と会った際に、突然、性行為(タイミング法)を求められるケースもあるという。
他にも、精液中に含まれるウイルスと細菌がお母さんに感染する可能性がある、HIV・肝炎ウイルスや、性行為感染症といわれるようなものにうつってしまう可能性がある。
精子を提供する男性が感染症と分かるには、半年ぐらいかかるので、医療機関では、精子を半年以上、冷凍保存し、陰性であることを確認してから使用しているという。