なぜ走行中のタイヤは止まったり逆回転に見える?という話がありました。
↓例えば、こんな感じ。
この疑問に、近江政雄 先生(金沢工業大学 名誉教授)が説明していました。
私たちの目をよく見てみると、常に細かく動き続けている。
もし、目に映った全てを認識していたとすると、視界が揺れ動き続けることで気持ち悪くなり、耐えることができないと言われている。
そのため、人間の目は、入ってくる情報の全てを脳へ送っているわけではない。
揺れ動く映像の一部を切り捨て、安定した視界を得ている。
0.2秒間に1回ぐらい全く見えていない瞬間がある。
この目の仕組みによってタイヤが止まって見えたり、逆回転して見えたりする。
カメラを通して見た場合と、直接 肉眼で見た場合とでは、違いがある。
なぜ、そのように見えてしまうかについて模型を使って説明する。
分かりやすく、タイヤのホイール1本だけを記した模型を用意する。
まずは、止まって見える場合。
(← 通常の右回転 | 止まって見える場合 →)
私たちの目は、0.2秒間に1回、視界が切り捨てられるため、見えなくなる瞬間が生まれる。
すると、見える線は、ずっと同じ位置にあることになり、あたかも止まっているかのように見える。
続いて、逆回転に見える場合。
(← 通常の右回転 | 逆回転に見える場合 →)
この模型の回転スピードが変わると、止まって見える時と違い、1周する前に線が見えるようになる。
すると、右回転にもかかわらず、逆行しているように見える。
つまり、人間の目は、1秒間に4〜5枚しか画像を見ていない。
その前後は、見えていないということになる。
そのため、タイミングによっては、動いているタイヤであっても、止まって見えたり、逆回転して見えたりする。