サッカーグラウンドで、ペナルティエリアに線を引く時、
ゴールラインと直角な線を引くとすると、どうすればよいか?
中学3年生の数学で習う知識があれば、分度器などを使わずに、
メジャーを1つ使って直角の線を引ける。
まず、Aさんが、メジャーの 0mと12mの部分を持つ。
Bさんが、3mの部分を持つ。
Cさんが、7mの部分を持つ。
この3人で、3mの部分をゴールラインと重ねると、3m、4m、5mの直角三角形ができる。
メジャーの4mの部分に沿って線を引けば、ゴールラインと直角になる。
この直角三角形を作るテクニック(三平方の定理)は、
大工の間では、直角を出す「さしご」と呼ばれている。
3:4:5の頭文字を取ったもので、見習いで習うほどの常識。
建物の基礎をつくる際など、さまざまな場面で使用する。
人類は古くからこの知識を使って直角を測っており、約5000年前の古代エジプトでは、既に使われていた。
当時のエジプトでは、ナイル川が毎年氾濫したため、どこまでが誰の土地なのか、わからなくなることが度々あった。
そこで登場したのが、専門職の縄張り師(なわはりし)。
12個の結び目を等間隔に作った縄で、3:4:5の三角形を作って直角を測り、土地測量と区画整理を行っていたという。