なぜアルミホイルは片面だけキラキラなのか?という話:チコちゃんに叱られる!【2021/03/19】

なぜアルミホイルは片面だけキラキラなのか?という話がありました。

この疑問に、アルミニウム会社 取締役社長 の楠本薫さんが答えていました。

その答えは、「薄さを追求しようとしたから」。

アルミホイルの薄さは、0.011mm。

これは、髪の毛 一本と、ほぼ同じ薄さ。

アルミホイルが生まれたのは、今から100年以上前。

1911年、ドイツのラウバー博士が、フレーク状のアルミを薄く広げ、アルミ箔を作ったのが始まり。

当時は、食品用ラップフィルムなどがなく、湿度を防ぐ梱包材として使われていた。

それまでは、スズで作ったスズ箔が使われていたが、食品に金属のにおいがつくという難点があった。

アルミは、その問題を解決。

更に、安くて強度が高く、香りを保ち防虫効果もあることから重宝されるようになった。

日本へやって来たのは、昭和5年ごろ。

タバコやチョコレートの梱包材として使用される。

実は、当時のアルミ箔は、厚さ 0.008 mm。

この厚さは、今のアルミホイルよりも薄いが、そのままでは使えず、アルミと紙を張り合わせて使っていた。

これは、いわゆる「銀紙」。

では、いつ今のようなアルミだけのホイルになったのか?

アルミニウム会社では、1958年に日本で初めて、オーブン料理に使うためのアルミだけの(家庭用)アルミ箔を発売した。

この当時の薄さは 0.015 mm。

更に薄くて耐久性があって、使いやすいアルミホイルを追求した結果、現在の 0.011 mmになった。

この薄さを作り出すため、片側だけキラキラしたアルミホイルになる。

アルミ箔を薄くする工場で、その工程を見てみる。

アルミホイルの原料となる箔地(はくじ)の厚さは 0.3 mm。

この0.3 mmのアルミが、どうやって 0.011 mmになるのか?

まず、圧延機(約1.5トンのローラー)で薄くのばしてアルミホイルにする。

これにかけると、厚さは 0.1 mmになる。

アルミ箔を圧延した時の焼き付き防止として、潤滑油を使用。

1分間に数千リットルの油を出して流している。

油をかけながら、次々に幅が狭いローラーにかけてのばしていくこと3回。

厚さは 0.022 mm になる。

この時点では、まだ両面キラキラの状態。

次に、0.022 mm まで薄くなったアルミを1枚引き出し、もう1つの別のアルミロールに載せる。

こうしてアルミ箔を2枚重ねて圧延する「重合圧延」をすることによって、

1枚 0.022 mmだったアルミホイルは、0.011 mmになって送り出される。

出てきたものを手に取ると、両面キラキラだが、

2枚をはがすと、アルミ箔が重なった面がツヤのない面になる。

これこそが、片面だけがキラキラになる理由。

アルミの外側はローラーによって表面が整えられ、ピカピカになるが、内側はアルミニウムが自由に変形するためデコボコになる。

それを剥がすので、片面がデコボコになる。

表面がツルツルだと、光をそのまま反射するのに対し、デコボコの面は光が乱反射して、くすんで見える。

しかし、なぜ2枚を重ねる必要があるのか?

薄くしたいのなら、ローラーどうしを近づけていけばいいはずだが、近づけ過ぎると、ロールどうしが接触してしまい、アルミ箔が破けて薄くできなくなってしまう。

そこで、ローラーどうしの間隔を保ちつつ 0.011 mm という薄さになるように、2枚重ねて作ることにした。