SNSで見かける「#」この記号って何?という話がありました。
これについて、天竺俊之 先生(筑波大学 計算科学研究センター 教授)が説明していました。
「#」このマークは「シャープ」と呼ぶ人も多いが、コンピューターの世界では、「ハッシュ」あるいは「ナンバーサイン」と呼ぶ人がいる。
「#(ハッシュ)」とは、もともと「重さ」を表す「ポンド(lb)」の記号。
ポンドとは、ラテン語の「Libra Pondo」の略で、16世紀頃までは略さず、そのまま文字で書いていたが、やがて「Libra」の「L」と「b」に横棒を加えた、
このような記号で重さのポンドを表す方法が定着した。
あのニュートンが書いた論文にも、その記号が記されている。
この筆記体の略語が、SNSなどで見かけるあの記号の形へと変わっていき、今ではコンピューター用語で「ハッシュ」と呼ばれている。
そして、「重さ」の次に、「番号」の意味がある。
「#」は、プッシュ式電話のボタンに採用されたことで、一気に世に広まった。
電話機が、回転ダイヤル式からプッシュ式になった時に、短縮ダイヤルがついた。
「#」この記号の後に数字を付けることで、電話番号を登録できる。
例えば、こちらの10桁の電話番号を短縮ダイヤルとして登録する場合、
最初に、この記号を押して、次に2桁の好きな番号を押す。
こうすることで、10桁の番号を全て押さなくても、次からはボタン3つで電話ができる。
この記号の次にくる2桁の番号を変えることで、いくつかの番号を短縮ダイヤルとして登録できる。
つまり「♯01」とは、「1番目の番号」ということ。
しかし、SNSのハッシュタグは、数字ではなく文字がきているが?
実は、ハッシュタグに使われるキッカケがあった。
こちらが、世界で最初に「#(ハッシュ)」をつけたつぶやき。
これを投稿したクリス・メッシーナさんによると
僕が「#(ハッシュ)」を使い始めた頃は、まだSNSができたばかりだったけど、もっと簡単に人々がSNS上で集まりやすくするために、「何かタイトルのようなモノをつけられないか」と考えたのがキッカケ。このアイデアのユニークな所は、「#(ハッシュ)」と「文字」を組み合わせて「1つの単語」にしたこと。これだけで格段に検索がしやすくなった。
とのこと。
つまり、「bar camp」と検索すると、どちらかが含まれる全てが検索され、膨大な量になる。
そこで、クリスさんは、SNSに投稿する時、本文とは別にタイトルとして、「bar」と「camp」の間にスペースを空けず、更に頭に「#(ハッシュ)」を付けて、1つの単語にすることを提案した。
こうすることで、「bar」でも「camp」でもなく、「#barcamp」という1つの単語だけで検索できるようになった。
しかし、なぜ「#(ハッシュ)」の記号なのか?
スマホの記号といえば、電話と一緒で「♯(シャープ)」か「*(アスタリスク)」しかないし、「#(ハッシュ)」はコンピュータプログラムでも番号記号として使っていたから、なんとなく「#(ハッシュ)」を選んだ。僕もこんなに世界中に広まるなんて当時は思ってなかったけどね。
「#(ハッシュ)」をつけることで、共通の話題を持った人をも見つけやすくするという便利さに気づいたSNSユーザーたちによって、「#(ハッシュ)」はすぐに世界中に広まっていった。