大根をゆでると透明になるはなぜ?という話:チコちゃんに叱られる!【2021/06/11】

大根をゆでると透明になるはなぜ?という話がありました。


これについて、三井裕樹 先生(東京農業大学 農学部 准教授) が説明していました。

「大根をゆでると透明になるのは、もともと「透明」だから。」

いったいどういうことなのか?

こちらは、大根の細胞を赤く染色した顕微鏡写真。

赤く染まっている細胞壁の主成分は、主にセルロースとペクチン。

細胞に含まれている水分は透明。この細胞壁も本来は透明。

では、なぜ白く見えるのか?

それは、細胞と細胞の間に、多く空気を含んでいるから。

空気も透明だが、なぜ白く見えるのか?

実験してみる。

こちらは、空気の泡を注入できる水槽。

これを大根に見立てる。中の四角い筒が細胞と細胞壁。

水を入れただけだと、横から見ると透明で向こう側が見える。

ここに、細かい空気の泡を注入すると、白くて向こう側が見えなくなった。

これはなぜか?

空気と水で光の進み方が変わってしまう。

例えば、水の入ったコップにストローをさすと、曲がって見える。

これは、空気と水で、光の進み方が違うことで起こる「光の屈折」という現象。

大根の場合、細胞の表面で光が屈折。

さらに、細胞は空気をたくさん含んでいるので、乱反射で白く見えている。

例えば、雪の結晶は透明だが、

結晶が集まり、空気を含むと、乱反射で白く見える。

大根も、もともとは透明なので、光は真っ直ぐ通過するはずだが、

含まれる空気によって、幾度も曲げられ、光が乱反射して白く見える。

では、ゆでるとなぜ透明になるのか?

細胞壁を作っていたペクチンやセルロースは、

大根をゆでると、分解される。

そこに鍋のお湯が染み込み、細胞の隙間にあった空気は押し流される。

その結果、今まで空気によって曲げられていた光が真っ直ぐ進むことができるようになる。

それで、元の透明になる。