北米大陸で最古の大運河、カナダの「リドー運河」。
それは、当時最先端の土木技術で、2つの川といくつもの湖をつないだ水の道。
首都オタワとオンタリオ湖にのぞむキングストンを結ぶ、全長202km。
こちらは、首都オタワの観光名所にもなっている国会議事堂が建つ小高い丘。
その脇に、リドー運河のスタート地点がある。
ここには、船を25メートルも上昇させる仕掛けがある。
リドー運河に入るには、「オタワロック」と呼ばれる八段の水の階段を通らないといけない。
ロックとは、高低差がある場所を船が行き来するための仕組み。
船が近づくとゲートが開き、船が入る。
後ろのゲートが閉じ、中に水が入ってくる。
水位が上がりきると、進行方向のゲートが開く。
驚くのは、エンジンもポンプもなく、ゲートの開閉は、全て人力。
ウィンチも運河が完成した190年前の頃のまま。
この工程を繰り返し、まさに階段を登るように、船は高低差を乗り越える。
こうして、1時間半かけて、高さ25メートルを登りきる。