なぜコンセントの穴は2つなのか?という話がありました。
これを コンセントについて詳しい 津山美穂 先生 (近畿大学理工学部 講師)が説明していました。
なぜコンセントの穴は2つなのか?
コンセントの穴が2つなのは、入り口と出口が必要だから。
コンセントの電気は「交流」という電気が使われている。
プラスとマイナスで行ったり来たりする電気のことで、コンセントに流れる電気は、右の穴から入って左の穴へ出たあと、左の穴から入って右の穴へ出るというのを交互に繰り返している。
つまり、右の穴と左の穴、どちらも入り口でどちらも出口ということ。
このように、電気は入り口と出口がないと流れない。
更に、水が高い所から低い所に流れるように、電気も電圧が高い所から低い所に流れる性質がある。
例えば、導線を伝達の高い「+(プラス)」にだけつけても、電球は光らない。これは電気が流れていないから。
しかし、電圧の低い「ー(マイナス)」にもつなげると、電気がプラスから入ってきて、マイナスに出ていく。
プラス→マイナスの流れができたので、電球が光った。
これが、コンセントの場合、右の穴の電圧は、常にプラスとマイナスに行ったり来たりしている。
一方、左の穴の電圧は、常に0なので、右の穴がプラスの時は、右から左へ。
右の穴がマイナスの時は、左から右へと電気が流れる。
電気の流れを生み出すだめに、コンセントの穴は2つになっている。
コンセントの穴が左右で違う
コンセントをよく見てみると、穴の大きさは、左右で違い、左の方が大きい。
プラグを挿す時に、左右を合わせた方が、より性能を発揮する電化製品もある。
プラグをよく見てみると、
三角形などの目印がついているものがある。
その種類も様々。
この目印が付いた方を
コンセントの左側の穴に挿す。
すると、一部のオーディオ機器の場合、音がよくなったりする。
コンセントの穴が3つある
エアコンや冷蔵庫などで、コンセントの穴が3つある場合がある。
これは、人間が感電しないようにする「アース」。
家電製品は、故障した時に、電気が漏れ出してしまうことがある。
特に家電製品が濡れていたり、手が濡れていると危険。
アースは、漏れた電気を人ではなく、地面に流して、感電するのを防ぐ役割がある。
だから、料理の時に濡れた手で触りやすい冷蔵庫や、冷房時に水を出すエアコンには3つ目の穴のアースが付いている。
このアースが家庭の全てのコンセントに付いている国もある。
コンセントの穴の形が、こんなものや、
穴が小さくて丸いものや、
穴が3つ以上あるものなど、
その国々に合った形になっている。
アメリカは、安全性を考え、コンセントの穴はアースを含めた3つ。
日本は、コンセントの素材を電気が通りにくいものにしたり、
電気が漏れるのを防ぐ機器(漏電遮断器など)を付けたりすることで、安全性を高めている。