なぜ猫だけ色んな模様があるのか?:チコちゃんに叱られる!【2021/10/22】

なぜ猫だけ色んな模様があるのか?という話がありました。


同じネコ科でも、トラやヒョウは同じ柄なのに、猫だけ色々な模様があるのか?

これについて、動物研究のエキスパートの 今泉忠明さん(日本動物科学研究所 所長)が説明していました。

その理由は、人間が飼っているから。

一体どういうことか?

その昔、家ネコが野生の動物だった時代、猫の柄は1つだった。

人間に飼われるようになって、色々な毛柄が生まれてきた。

今でこそ、猫の毛柄といえば、「茶トラ」「黒ブチ」「三毛」など様々。


その数、今や、60種類以上にも及ぶと言われているが、家ネコの元祖の毛色は、最初は1種類だった。

その1種類とは、どんな猫だったのか?

家ネコの元祖の柄は、茶色ベースに黒っぽいしま模様が全身に入ったキジトラ。

意外と見慣れた柄だった。

中東キプロス島で、約9500年前の猫の化石が見つかった。

それが、リビアヤマネコ。その柄がキジトラ柄。

では、いつ頃から種類が増えたのか?

今から2000年くらい前の古代ローマの遺跡から、白黒の猫の絵画が見つかった。

この頃には、既に、色々な柄がいた。

キジトラから黒と白の猫が、更に黒猫からサビ猫、サビ猫から三毛猫が誕生。

時代を追うごとに、徐々に毛柄の種類が増加。

では、なぜ毛柄の種類が増えたのか?

色の突然変異が猫に起こった。

本来、動物というのは、親の毛色が遺伝子によって子どもに伝わる。

しかし、その遺伝子のコピーに失敗し、全く異なった柄や毛色になってしまう、それが突然変異。

確かに、私たちは、親とは違う柄で生まれてきた子猫を見慣れている。

しかし、なぜ突然変異が起こるのかは、わからない。

その証拠の1つが、アメリカで生まれたクローン猫。

同じ遺伝情報を持ち、同じ見た目になるはずのクローン。

しかし、元の猫は三毛猫に近い柄だったが、クローン猫には三毛色がない。

このように、クローンだといっても、違うものが生まれてきてしまう。

それだけ、猫の遺伝子は、とても複雑。

しかし、同じ猫科の動物でも、ライオンやトラは同じ柄。

なぜ猫だけ色々な柄があるのか?

その理由は、猫が家畜化されたこと。

野生で猫が生きる場合のキジトラ柄、これは風景に溶け込む「擬態」の効果がある。

敵や獲物に気づかれにくく、生きるのに有利。

野生動物の世界では、背景に溶け込みにくい白や黒など、自然の中で目立ってしまう柄の場合、見つけられて食べられてしまったり、獲物に気づかれてしまい、エサがとれないなど、生存上不利。

しかし、野生では生き残れないけれども、人間にとっては特徴のある猫も大切に飼われる。

人間がいると守ってくれるので、どんな柄でも生きられる。

自然を離れ、人間に飼われた結果、たくさんの柄の猫が生き残っている。

ちなみに、猫以外の動物でも、人間が飼えば、長い年月をかけて柄が変わる可能性はあるという。