切手が左上に貼られているのはなぜ?:チコちゃんに叱られる!【2021/11/05】

切手が左上に貼られているのはなぜ?という話がありました。


これについて、郵政博物館 館長の藤本栄助さんが説明していました。

切手が左上に貼られているのは、そこがイギリス人が見つけたベストポジションだったから。

これは、一体どういうことか?

それは、「消印」に由来する。

「消印」とは、切手が使用済みであることを示すハンコのこと。

再利用を防ぐために、必ず切手にかかるように押される。

1870年ごろ、世界で最先端の郵政事業を行っていたイギリスをはじめ、ヨーロッパの郵便局は、消印を一個一個手作業で押していた。

それを再現した動きがこちら。


切手の貼られた場所を目がけて、消印を押す。

このやり方は右利きが前提。

左手で郵便物を押さえるため、左上と左下は消印が押しづらく、右下も体勢が窮屈になってしまうため、やりづらくなる。

そのため、右上に押している。

この方法がいつどのような形で日本に伝わったのかは、不明だが、

明治17年には、郵便物を重ね、一通ずつ手前に送るイギリスのやり方で、日本も消印を押していたと見てとれる。

ところで、切手は左上に貼るのではなかったか?

西洋の横長の郵便物では、消印は右上がベストポジション。

一方、日本の郵便物は縦長なので、右上ではやりずらい。

そこで、郵便物を横にして左上に押した。

このスタイルが浸透した昭和20年代の実際の映像がこちら。

1分間に、約100通の消印が押せたと言われている。

ちなみに、郵便物を横に傾けても、切手に対してまっすぐ消印を押せるように、ハンコの向きは最初から横向きに作られていた。