カボチャを包丁で切ろうとすると、なかなか切れない。
なぜあんなに硬いのか?
これについて、野菜の栽培について研究している 野田智昭 さん(北海道立総合研究機構)が説明していました。
硬い野菜といえば、かぼちゃの他にも、にんじん、ごぼう、大根、ゴーヤなどがあるが、
かぼちゃは、どれくらい硬いのか?
機械で測ると、ご覧のとおり。
かぼちゃは、3.8と断トツの硬さ。
これは、野球の硬球と同じ硬さ。
さらに、皮の断面を顕微鏡で見ると、
かぼちゃの細胞は、他の野菜より小さく、
びっしりと詰まっているのが分かる。
では、なぜ、かぼちゃはこんなに硬いのか?
それは、原産地の環境が大きく関係している。
かぼちゃの原産地は、メキシコ辺りの中南米とされていて、砂漠や熱帯地域が多い土地。
高温で、年間降水量は、日本の半分と少ないため、乾燥している。
しかも、土地の養分も豊富とは言えない。
その過酷な自然環境で、少ない水分や栄養分を流出させずに生き抜くために、かぼちゃは皮が硬くなったと考えられる。
では、どれだけ、かぼちゃは水分や栄養を逃さないのか?
5種類の野菜をベランダで10日間放置。
すると、かぼちゃ以外の野菜は、10日間で水分が抜けてシワシワ。
かぼちゃだけは、検証前と比べても日に焼けた以外は、ほぼ変化なし。
切ってみても、中身の実はみずみずしいまま。
かぼちゃが甘くておいしいのは、水分と栄養分が閉じ込められているからだった。