区画整理の清算金が1000万を超える高額請求になった!という話:モーニングショー【2021/12/02】

区画整理の清算金が高すぎる!と話題です。

昨年(2020年)10月、年金で1人暮らしの八十代女性に入間市から突然届いた1通の書類。

女性「簡易書留で郵便局員が配ってきた、開けてみて清算金明細書っていうのを見ましてね、1310万9590円」

届いたのは、区画整理のための清算金。

その清算金明細書に書かれていたのは、徴収額、約1300万円。


女性「途方に暮れましたよ、か細い年金で食べているのに、もう眠れない日もありましてね」

「区画整理」とは、自治体などが地権者から土地の提供や移動をしてもらい、道路の整備や市街地開発など、土地の使い勝手を良くし、利用価値を高めるもの。

土地によって、地権者に損得が発生する時は、法律に基づき、金銭で解決する。それが清算金。

行政が間に入り、区画整理で得する人から徴収し、損する人に交付。

区画整理による不公平をなくす仕組み。

それにしても、なぜ、1300万円もの高額請求になったのか?

市の説明によると、

女性の土地は区画整理で、2本の道路に面した角地と便利になり、地価が高くなったため、得した分を精算する必要が有るという。

女性「市の方から(区画整理のために土地を)割り当てられて、『角地をください』って言ったわけでもないんですけど、こんなに(請求が)くるんだったら、元の生活でよかったですね。前も困った生活してないんですね」

市からの書類などで、清算金があることは知らされていた女性。

しかし、1300万円までになるとは説明がなかったという。

女性「市に『払えなかったらどうするんですか?』って聞いたら、『差し押さえか後世に残っていく』って言うんですね。『じゃあ家屋敷を売って出ていけってことですか?』って言ったら、『その手もありますね』っておっしゃるんです。」

入間市で区画整理が始まったのは、1987年。以前は道路が未整備で、救急車両が通れない他、上下水道が整備されていない世帯があるなど、不便な点が多くあったという。

区画整理前から住んでいる住民は、現在の町について、

・上下水道っていうのは区画整理になって初めてそれができたんで、住み良くはなっていますね。
・街が綺麗になったというか、区画整理によって建物がずいぶん増えて人も増えたわけだから。

という意見もあった。

区画整理が行われた地区では、約30年で世帯数が700以上も増加。

一方、市からの高額な精算金の請求で苦渋の決断を迫られた高齢の夫婦もいた。

今年(2021年)4月、30年暮らした土地を手放した。

原因となったのは、清算金。約740万円の支払いだった。

夫「『何年かかってもいいから払ってくれ』って、『お宅亡くなった時に、生命保険のほうからもらってもいいんだよ』って」

なぜ、清算金がこれほど高額になるのか?

市から納得いく回答が得られない中、高齢の夫婦には土地を手放すほかなかった。

妻「今は丈夫よ、だけど病気した時に、いつどうなるか分からないってことになってくると、(清算金があると)どうにもならなかった。本当に、にっちもさっちもいかない、本当に・・・。」

突然の高額請求に困惑する住民たち。

埼玉県入間市の清算金の初回納付期日は、今月(2021年12月)16日。

入間市の説明によると、

【1】説明会などで繰り返し清算金の仕組みを伝えてきた
【2】金額は事業完了後に確定するので確定前は伝えられない
【3】清算金は一括払いのほか、最長10年の分割払いも選択できる(初回納付期限は12月16
日)

とのこと。

一方、他の自治体では、こんな救済策もある。

東京練馬区では、区画整理が始まったときから住んでいた住民を対象に資金貸し付け。
さらに、20年住み続けた場合は、”資金返済を免除”。

埼玉県狭山市では、0.01%の低金利で分割納付が可能。
※1000万円を10年かけて分割した場合、金利0.01% → 利息5000円。